出版社内容情報
大震災の現場から政府の教育政策を問い直す
東日本大震災は、とくに岩手・宮城・福島の三県に未曾有の事態をもたらしました。被害からの「復旧」「復興」が急がれています。特に、子どもと教育の問題については、先送りにできない緊急の課題です。
本書は、長年、教育現場での実践について研究してきた第一線の教育学者が、現場の声をふまえて、今何をなすべきか、これからどう進めていくべきなのかを提言するものです。
現場のことを知らない「お上」からの画一的な指示では、「想定外」の事態に対応できないのは、原発事故の対応と同じだと言えるでしょう。大震災は、効率やコストを重視し過ぎることの問題を浮き彫りにしました。今後の復興においては、多様性や分権を大切にしなければなりません。教育についても同様です。管理強化と効率第一主義の「改革」によって、先生が子どもと向き合う時間がなくなった現状を改め、教育を子どもと先生のもとへ取り戻すことの大切さを訴えます。
内容説明
東日本大震災からの教育の「復旧」「復興」の問題は、先送りにできない緊急の課題です。復興においては、現場を知らない「お上」からの画一的な方策ではなく、多様性や創意を大切にした現場の声を踏まえたものにしなければなりません。本書では、教育現場を見続けてきた研究者が、管理強化と効率第一主義の「改革」によって先生が子どもと向き合う時間がなくなった現状を改め、教育を子どもと先生のもとへ取り戻すことの大切さを訴えます。教育を再生する力は、現場にしかないのです。
目次
第1章 三月一一日の子どもたち
第2章 大震災後の先生と子どもたち
第3章 原発事故に振り回される子どもたち
第4章 これからの学校はどうあるべきか
第5章 政府の震災対応と教育政策への提言
第6章 被災地の復興から学校教育の再生へ
著者等紹介
大森直樹[オオモリナオキ]
1965年、東京生まれ。東京学芸大学教育学研究科修士課程修了、東京都立大学人文科学研究科博士課程単位取得退学。現在、東京学芸大学教育実践研究支援センター准教授。専攻は、教育臨床研究、教育史。長年にわたり、学校教育の実践現場のサポートと研究に従事(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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