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出版社内容情報
ルーベンス、ベラスケス、レンブラント、フェルメールなど、西洋絵画の巨匠たちに絶大な影響を与え、彼らの芸術を育んだ、17世紀イタリアの天才無頼画家カラヴァッジョ。光と闇がつくりだすドラマティックなコントラスト、克明な写実表現、深い精神性からなり、しかも静謐な美しさをたたえる彼の作品には、一度見たら忘れられない強烈な力が宿っています。本書は、殺人者として逃亡の果てに客死したカラヴァッジョの38年という短くも激しく数奇な人生と、神々しいまでの偉大な画業の本質に迫る、決定版画集です。第27回サントリー学芸賞・第10回地中海学会ヘレンド賞ダブル受賞の俊英研究者による入魂の1冊。
宮下 規久朗[ミヤシタ キクロウ]
著・文・その他
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
312
宮下規久朗の案内するカラヴァッジョ。初期作品から晩年のものにいたるまで、かなり網羅的に集められている。編年体で編集されているので、その変遷もよくわかる。初期には題材も大人しいのだが、最初に眼を惹くのは「いかさま師」。色彩と質感、そして何よりも光がバロックを指向している。「果物籠」も瞠目。しかし、なんといってもカラヴァッジョが真価を発揮するのは宗教画である。「ホロフェルネスの首を斬るユディト」、そしてサン・ルイジ・ディ・フランチェージ聖堂の3枚の絵。さらには「聖ぺテロの磔刑」。カラヴァッジョの生涯を思う⇒2023/02/17
まあか
43
とても綺麗で惹き込まれる。そしてなんと言っても、人物たちの表情がかなり豊かに切実に表現されている。カラヴァッジョは、かなり破天荒で残忍な人物でもあったようで、驚いた。教会などを華やかに彩る絵たち。原田マハ「風神雷神」や、朝井まかて「白光」に思いを馳せながら鑑賞。2022/04/11
Nat
40
カラヴァッジョを堪能!絵が大きくて見やすく解説が簡潔でわかりやすいです。カラヴァッジョ本、また買ってしまいました。夏にローマに行くので、サン・ルイジ・デイ・フランチェージ聖堂とサンタ・マリア・デル・ポポロ聖堂、サンタガスティーノ聖堂へ行って現地でしか見ることのできない作品を見てきたいです。辿り着けるか心配ですが…。2023/04/08
Kazuo
11
カラヴァッジョ展の予習(国立西洋美術館)。1610年没、日本史で比較すれば、関ヶ原の戦いの前後の活躍となる。人の心の奥底まで写すような描写力、強烈な明暗の対比と劇的な構図に圧倒される。「聖マタイの召命」でのマタイは左端の税金を数える青年であろう(非来日)。いつか本当の「聖マタイの召命」の実物を見たい。ベンヤミンがいう通り「複製作品ではアウラは凋落する」のだ。メディアに包囲されている我々には、「リアル=アウラ経験」が絶対的に不足する。我々が世界を取り戻すために、芸術体験・身体体験は必須なのではないだろうか。2016/05/03
takakomama
8
「一枚の絵で学ぶ美術史 カラヴァッジョ<聖マタイの召命>」の読書案内に「色彩がもっとも忠実に再現されている画集」と紹介されていたので併読。大判で細部までじっくり見られて満足です。背景の闇が深ければ深いほど、光がきわだちますね。2020/06/14