出版社内容情報
北からの道、南からの道を辿って伝わった様々な文化が、相互に影響しあう中で生み出されてきた日本特有の文化の多様性や柔軟性。その多重構造の形成を、人類学・考古学等の研究成果を交え、アジア的視野から考える。
「日本文化の特色を論ずるとき、誕生の時には神社へ宮参り、結婚式はキリスト教の教会、そして死ねば仏教で葬式という、日本人によくある行動様式が問題になることがある。それはルーズといえばたいへんルーズ、確固とした信念や主体性がない、といえばそうだが、私はこの種の行動様式には、日本文化に特有の適応力の幅の広さや柔軟性がよく示されていると思う。」(序章より) 日本列島は、アジアの東端に位置するという地理的条件により、北からの道、南からの道を辿って様々な文化の波が伝わってきた。これらを受け入れ、堆積させ、重なりあい、相互に影響しあうなかで、日本特有の文化の多様性や柔軟性が生み出されてきた。 その日本文化の多重構造がどのように形成されてきたのかを、人類学・考古学等の最新の研究成果をとりいれながら、アジア的視野からの俯瞰を試みたのが本書である。 全体を大きく4部構成とし、第1部では東アジアを中心とした文化変動と日本の民族文化の形成を、第2部では南北から渡ってきた文化について、第3部では民族学から探る農耕文化や食物文化を、第4部では稲作文化を手掛かりにしながら日本文化の全体を見通し、その多重構造の形成を解き明かしていく。
内容説明
柔軟性と多様性。「焼畑農耕」「照葉樹林文化」「稲作文化」をキーワードに、アジア的視野から俯瞰する。佐々木高明「日本文化論」総集成。
目次
1 序論―アジア的視野から日本文化の成立を考える
2 南からの文化、北からの文化
3 東アジアの農耕文化と食物文化を探る―民族学からアプローチ
4 非稲作と稲作の間―日本文化の多重構造の形成
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- ぐるり 2004/4-5
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