出版社内容情報
法隆寺、薬師寺の宮大工棟梁・西岡常一が、木や道具、建築、そして人間について語った好エッセイ。「堂塔の木組は寸法で組まず、木の癖で組め」など現代の人間関係にあてはまる口伝も紹介。
目次 第一章 千三百年のヒノキ 第二章 道具を遣う心 第三章 法隆寺の木 第四章 薬師寺再建 第五章 宮大工の生活 第六章 棟梁の言い分 第七章 宮大工の心構えと口伝 あとがき 解説 西岡常一略年譜
内容説明
法隆寺、薬師寺の宮大工棟梁・西岡常一氏が、木について、道具について、そして人間について語った入魂のエッセイ。「堂塔の木組は寸法で組まず、木の癖で組め」など、今日の人間関係に当てはまる口伝が紹介される。
目次
第1章 1300年のヒノキ
第2章 道具を遣う心
第3章 法隆寺の木
第4章 薬師寺再建
第5章 宮大工の生活
第6章 棟梁の言い分
第7章 宮大工の心構えと口伝
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
May
5
西岡のようなすごい人が現れるには、彼の言葉から考えれば、彼のような人の下で育つ必要がある。しかし、代々棟梁を引き継いできた西岡家の息子すら忌避する仕事を志す人はそうはいないし、受け継ぐだけの資質をもった人はもっといないだろう。ということは、彼が考えるところの棟梁は、もはや出てこない可能性が高い。そうした中にあっても歴史的建造物たる寺社を維持していこうとすれば、西岡の意に反することにはなるが、技能ではなく技術によって行くしかないのではないだろうか。悲しいことかもしれないが、現実に即した対応が必要だと思う。2021/07/18
どろんこ
3
この本は木の本にとどまらず、自然の分身である人間についての本でもあった。人生観が揺らいだ。「木を知らない人にどうして木を軽視できるのか」という西岡さんの学者との論争の話が印象深い。学問や本とばかりにらめっこして会話して、本当の目的を疎かにはしていないだろうか。本物の何かと対面することでしか問題は解決できないのに補助的な道具を盲信して、更には逃避のあてにして、対面すべきものに対面できていないのでは?と、自分に問うた。2020/05/04
ノアノア
2
最近読んだ本のなかで一番感動したと思う。宮大工の西岡常一さんのエッセイ。西岡さんが語った言葉をそのまま文章にしている。奈良の言葉なので凄く身近に感じながら読んだ。宮大工にとっての道具の大事さ、桧の素晴らしさ、自然の偉大さ、そして信仰心。職人の熱さに感激した。きっと偏屈なじーさんだったろう事は容易に想像できる。しかし、信念を持った、意思の固い一流の職人だったのだろうと思う。そもそも職人は偏屈なイメージだし。子供の頃祖父の大工道具をオモチャにして遊んでたことを申し訳なく思った。2015/01/19
茶茶円
0
とても面白かった、学んだ所が多く勉強させていただきました。2011/01/10
ペーパークリップ
0
木に学ぶことに打ち込んだ法隆寺の棟梁の話集。この本に学ぶこともたくさんある気がする。今はもう棟梁っていないんかな。2010/06/19