出版社内容情報
関東大震災から3年、帝都東京に未だ残る怨霊を調伏するために来京した天才陰陽師・神島桐子。と、彼女の使役鬼・酒呑童子と雷電のふたりの鬼の活躍を描くサスペンス巨編!! 後編
霜島 ケイ[シモジマ ケイ]
著・文・その他
也[ナリ]
イラスト
内容説明
時は大正15年。桐子はわずか10歳で安倍晴明の流れをくむ陰陽道「本家」神島家の当主となる。術修行の名目で東京へと出てきた桐子だが、実際は中央に反逆する術者たちを呪詛するためであった。しかし、呪詛の対象者の中に早臣の名を見つけた桐子は、呪詛の目的に疑問を抱く。そして、使役鬼の聖と弓生に真のねらいを探ることを命じて…。全ての真相が明らかになる時、当主として桐子が下す決断とは。
著者等紹介
霜島ケイ[シモジマケイ]
大阪生まれ。東京女子大学短期大学部英語科卒業。1990年「出てこい!ユーレイ三兄弟」(朝日ソノラマ刊)でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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そのぼん
19
主人公の少女が妙に大人びて(悪くいえばひねくれて)ますが、回りの人間が信用出来ないからそうならざるを得なかったんだろうなあ。それでも、例の二人の鬼の存在で本来の姿に戻れるのではないか、と、読み終えたとき感じました。2012/11/29
ひなた*ぼっこ
8
桐子10歳。上巻では聖とじゃれあってて幼さが目立ってたけど、下巻は当主らしさが出てきた。少女の顔でニコッと笑いかけておいて、がらりと声音変えてくる感じとても好き。幼さすら武器にする。当主として気を張ってるところを聖だけは子供扱いして無条件に味方でいてくれるの嬉しい。"兄殺し"の本当のところが分かって良かった。自分が殺してしまうくらいなら何も知らないうちに殺されたかった。そう叫ぶ桐子の胸のうちが痛い。2019/11/08
まるてぃん
7
再読(キャンバス文庫で既読済)。関東大震災、帝都復興院、東京遷都…。歴史好き、薀蓄好きにはたまらない読み応え十分な秀作。新帝都計画とか青楓会とか、当時そんな歴史的背景があったとは知らなかった。これらの設定を主軸としながらも、物語の焦点はあくまでも登場人物達の心情にあてられている。特に、早臣は非常に魅力的なキャラクターに仕上がっていた。狩間も最後の最後でおいしいところをもっていった。「どこの土地にだって、そこで生まれて生きていく人間がいるんだ」は名セリフ。封殺鬼シリーズ中、一、二を争う傑作ではなかろうか。2011/11/26
☆CHIKO
6
上巻の冒頭が、こんなところに繋がるなんて・・・ 桐子の悲しみがひしひしと伝わってくるお話でした。 兄の史人ばかりでなく、狩間にもそんなオチがあったなんて・・・そして、桐子を高い高いする聖にやられました。どんだけ泣かす気?(「どんだけ泣かす鬼」・・・ダジャレです^^;) そんな桐子と二人の鬼の関わり方に続編でで注目したいですね。 2011/02/27
ときわ
5
上下巻まとめて。再読なのにストーリーを全然覚えていない。でも狩間が出てきたとたん「こいつが!」と嫌悪感が。出来事の記憶が無くなっても、感情の記憶は残ることを実感した。2022/08/25