小学館文庫<br> 蝦夷地別件〈下〉

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小学館文庫
蝦夷地別件〈下〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 731p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784094086775
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

出版社内容情報

アイヌ民族の戦いを描いた歴史巨編、完結

ついに国後で始まった和人との戦い。蝦夷地全土に渦巻く不満、すべてのアイヌが抱える悲憤――。自分たちが立ち上がれば、厚岸、忠類、野付嶋など各地のアイヌが次々に後に続くと信じて起こした戦いだった。しかし、アイヌ民族の一斉蜂起という願いは叶わず、叛乱に立ち上がったのは、国後と忠類のほか目梨地方のわずかな地点にとどまった。そこへ新井田孫三郎率いる松前藩の鎮撫軍が、大砲さえ擁する圧倒的な装備で鎮圧に迫る。さらには厚岸の惣長人イコトイが、自分の地位の安泰を図って鎮撫軍に擦り寄る動きさえ見せはじめた。もはや勝ち目はなくなった。負けを覚悟で徹底抗戦を続けても、それは厚岸をはじめ鎮撫軍に与する同胞と戦うことを意味するのだ。松前藩から示された降伏の条件は、恭順の徴に貢ぎ物と人質を差し出し、首謀者を樺太送りにすること。しかし、この戦いを終わらせるために、国後の人々はさらに大きな犠牲を払わなければならなかった……。民族の誇りのために命を賭したアイヌの思いは報われたのか。そして、江戸幕府の描いた「日本」という国の形とはどのようなものだったのか。蝦夷の地に革命の時代を凝縮させた渾身の歴史超大作、ここに完結。

内容説明

国後で始まった和人との戦い。しかし、叛乱に立ち上がったのはわずかな地点にとどまり、蝦夷地全土には広がらなかった。そこへ新井田孫三郎率いる松前藩の鎮撫軍が圧倒的な装備で鎮圧に迫る。もはや勝ち目はなくなった。このままでは、厚岸をはじめ鎮撫軍に与する同砲とも戦うことになってしまう…。国後の人々は、松前藩から示された降伏の条件のほか、戦いを終わらせるために、さらに大きな犠牲を払わなければならなかった。命を賭したアイヌの思いは報われたのか。そして、江戸幕府の描いた「日本」という国の形とは。圧倒的な筆力の超大作、ここに完結。

著者等紹介

船戸与一[フナドヨイチ]
1944年、山口県下関生まれ。早稲田大学法学部卒。『山猫の夏』(吉川英治文学新人賞)『猛き箱舟』(日本冒険小説協会大賞)『伝説なき地』(日本推理作家協会賞)『砂のクロニクル』(山本周五郎賞)『虹の谷の五月』(直木賞)など著書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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