内容説明
ドメスティック・バイオレンス(DV)を白日にさらした名著がついに文庫化!時代の変化にともなう大幅な加筆修正を加え、法改正も付記しました。いつもはやさしい人がなぜ突然暴力を振るうのか?逃げたいと思いながらもなぜ相手のもとにとどまってしまうのか?わかりやすいロールプレイで、暴力や暴言を繰り返す「する側」の心理と「される側」の心理を分析しながら具体的な解決法を探ります。さらに、DVの環境下で育った子どもに与える深刻な影響とその危険性についても警告。
目次
ドメスティック・バイオレンスとは何か
暴力の恐ろしい魔力
DVをはかるチェックリスト
エンパワメントと人権
なぜ彼女は彼のもとにとどまるのか
虐待サイクルを回し続ける力
なぜ彼らは愛する人を殴るのか
暴力をふるう男性たちを支え続ける社会
子どもたちに及ぼす影響
DV環境に育つ子どもの心のケア〔ほか〕
著者等紹介
森田ゆり[モリタユリ]
北米に21年間在住し子どもの虐待、性暴力、家庭内暴力防止に関するプログラム開発と専門職研修に長年携わる。1997年、日本でエンパワメント・センターを設立(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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みゃーこ
44
虐待は予防教育で減らすこともできる。征服感に酔い、支配感が自我を支えている生きているあかし。被害者の逃げられない心理状態をストックホルム症候群、学習性無力感、暴力サイクルなどで説明されていて非常に理詰めでわかりやすい。DVは嗜癖の一種であり、当事者の決意や意志の固さでは解決できない問題である。また暴力を経験するとPTSDなどの後遺症が残る。パワーとコントロールの輪から逃れるために共依存関係から救う第三者の助けが必要。援助する側は根気よくエンパワメントを繰り返し、一刻も早く暴力の輪から脱することが必要。2015/06/24