小学館文庫<br> カフェー小品集

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小学館文庫
カフェー小品集

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  • サイズ 文庫判/ページ数 221p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784094080148
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

出版社内容情報

 あの『ミシン』で鮮烈なデビューを遂げた嶽本野ばらの初の小説文庫化です。 互いに頑なな誇りを持つが故、すれ違い、翻弄されつつも惹かれあう「僕」と「君」の恋愛風景の数々?。京都・東京・鎌倉・小樽と、著者自らが偏愛するカフェーを巡り、その時空から紡ぎだした、夢ともうつつともつかない短編・掌編12本を収録。 他の作品群にもつながる作家独自の美意識が色濃く映し出された好著。ファン必読の一冊です!

内容説明

時が停止したような、時流に抗うかのごときカフェーを舞台に描かれた、夢とも現ともつかない恋愛物語の数々。互いに頑なな誇りを持つが故、すれ違い、翻弄されながらも惹かれ合う「僕」と「君」の、さまざまな心の風景が映しだされる。あの『ミシン』で鮮烈なデビューを遂げた岳本野ばらが、自ら偏愛するカフェーを廻り、店の誕生から今に至る物語を探ってその空間に身を浸し、丹念に紡ぎあげた、香り高き小品集の文庫化。『ミシン』以前の短編も収録された貴重な一冊。

著者等紹介

嶽本野ばら[タケモトノバラ]
京都府宇治市生まれ。水瓶座。1998年、最初のエッセイ集『それいぬ―正しい乙女になるために』を発表。2000年、小説集『ミシン』で作家デビュー

※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

♪みどりpiyopiyo♪

59
繋がってる様で微妙に別人な「僕」が語る12の短編。行ってみたいカフェーが幾つかできました。■「僕」の あまりにあんまりな「僕」っぷり。何かをこじらせて自己肥大した様な、アンバランスで危うい様な、とっくに大人なのに若さの特権が未だ通じると思ってる様な。自分と違う者を蔑む未熟さ。■男性登場人物と作者(男性)の関心が、女の子自身にではなく、服、病み、人妻など分かりやすい属性にばかり向いてて、そこも自意識とか自己愛とかこじらせてんなーって感じますが、そんな作者が作り出した女性登場人物も 然もありなん、で。(→続2016/06/30

Roko

30
野ばらさんは、なんと繊細で、なんと正直なのでしょう。相手にとっては傲慢と思われるかもしれない思いを胸に秘め、どう伝えたらいいのかを必死に悩み、ことばを選んでいるうちに相手が去ってしまっても、ずっと相手のことを思い続けるのです。自分が好きな人がどんなことを言おうと、どんなことをしようと、その人を好きだという気持ちの揺るがなさは、永遠なのです。思い出のカフェーで、二人だけが生きる世界での話はとりとめもなく続きます。二人で一緒にいるということだけで幸せなのだと思える幸せな時間は、大事な思い出として残ります。2022/05/13

そのぼん

15
何処か耽美な香りのす作品たちでした。 柔らかな空気感、悪くなかったです。2012/05/24

13
鎌倉への旅行先で読み終わりました。「フランソア」は水瀬さんと一緒に行きましたが、素敵な雰囲気でした。鎌倉にいるので、「ミルクホール」にも行ってみたいかも、覚えてたら。書き出したい言葉もいくつかあったのでまた読みます。それぞれのカフェーにも行きたくなります。2012/05/03

RYOyan

12
カフェではなく、あくまでカフェー。12あるエピソードのうち、一番印象に残ったのは最後の「モンチッチの誇り」かな。時代とか流行に左右されず、自分を安売りすることなく、自分の居心地の良い場所、空間を守り抜くという姿勢。それは単なるお店に留まらず、生き方、取り巻く世界へと繋がっていく気迫みたいなものを感じさせられる。貫き通すのはとても困難で苦しく辛く、それは著者の現状の姿にも重なるのか!?急かされ窮屈な毎日を送る中でも、それらをシャットアウトして自分が守られる空間を持ち続けていたい。2015/10/21

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