出版社内容情報
母子の絆が末世を救った。今、真の平等思想が蘇る!
日本仏教の祖であり、一生不犯の聖人といわれる法然が救おうとした人々は、学もなく戒も守れない凡夫や女人たちであった。法然はなぜ新しい仏教を立て、末法の世に信仰の光をあてようとしたのか。法然には、少年時代に負った心の疵があり、人生に深い哀しみが秘められていた…。 知の巨人梅原猛が法然の哀しみの謎と人間像に鋭く迫り、真の平等思想を今、蘇らせる。構想10年、1300枚、入魂の最新大作ついに文庫化!
内容説明
一生不犯の聖人といわれる法然には、少年時代に負った心の疵があった。人生に隠された深い哀しみの謎と人間像に迫る。
目次
序章 なぜ法然か
第1章 御影を読む
第2章 伝記が語る法然像
第3章 父時国殺害事件
第4章 布教への決意
第5章 専修念仏への道
第6章 立教開宗の宣言―三部経釈
第7章 口称念仏の選択―選択本願念仏集
著者等紹介
梅原猛[ウメハラタケシ]
1925年、仙台市生まれ。京都大学哲学科卒。立命館大学教授、京都市立芸術大学学長、国際日本文化研究センター初代所長など歴任。主著に『隠された十字架』(毎日出版文化賞)、『水底の歌』(大仏次郎賞)などがあり、「梅原古代学」「梅原日本学」と呼ばれる著作多数
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Book Lover Mr.Garakuta
9
図書館本:作者没後に読了。物事の捉え方に芯があり面白かった。そりゃ凄いわねと思う。2019/01/19
moonanddai
7
学問書ではないと、著者自ら言うだけあって、状況証拠みたいなものから結論への持っていくのですが、なぜかなるほどと思わされる。ただ、法然に関する情報、例えば数多くある御影の話から、数ある法然伝の吟味など、楽しく読ませていただいています。ただ、私もずっと疑問に思っていたことですが、法然が浄土教の理論構築に読んだ書、2辺読んでも凡夫の往生は無理としか思えないのに、3辺読んだら称名念仏で往生ができると「結論」できたか?そこには(著者いわく)理論的「どんでん返し」があると…。確かに私も法然の理論に強引さは感じます。2022/02/04