小学館文庫<br> 十九歳の地図・蛇淫 他―中上健次選集〈11〉

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小学館文庫
十九歳の地図・蛇淫 他―中上健次選集〈11〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 349p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784094043914
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

出版社内容情報

戦後文学の金字塔??その始まりがここにある!

 予備校生のノートに記された地図と、そこに書き込まれていく×印──。都会に生きる若者の孤独と焦燥、支配への欲望と暴力の衝動を、若々しい筆致で描き出し、作家・中上健次の存在を強烈に印象づけた初期代表作「十九歳の地図」。南紀の幽暗な風土を背景に、無軌道で荒々しい男の生を描き“親殺し”のテーマを扱った衝撃の珠玉作「蛇淫」。ともに映画化された表題二作の他、文壇デビューを飾った処女作「一番はじめの出来事」をはじめ、「鳩どもの家」「浄徳寺ツアー」「水の女」の四篇を収録。作家の軌跡を辿る厳選の初期傑作集。(解説 重松清)

内容説明

予備校生のノートに記された地図と、そこに書き込まれていく×印―。都会に生きる若者の孤独と焦燥、支配への欲望と暴力の衝動を、若々しい筆致で描き出し、作家・中上健次の存在を強烈に印象づけた初期代表作「十九歳の地図」。南紀の幽暗な風土を背景に、無軌道で荒々しい男の生を描き、“親殺し”のテーマを扱った衝撃の珠玉作「蛇淫」。ともに映画化された表題二作の他、文壇デビューを飾った処女作「一番はじめの出来事」をはじめ、「鳩どもの家」「浄徳寺ツアー」「水の女」の四篇を収録。作家の軌跡を辿る厳選の初期傑作集。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

うえうえ

13
短編集。文学。19歳の地図は短い。鬱積している。読んでいると苦しくなる。なかでも水の女がいい。文章が際立っている。谷崎の系譜。男と女の匂いでむせ返る。千年の愉楽に通ずる。2018/07/02

つーさま

8
「鳩どもの家」のみ。実母の再婚によって義父と弟という新たな家族ができた十八歳のぼく。しかし、幸せの園であるはずの家庭には、自らの居場所がないと嘆き、親に可愛がられるのは弟だけだとグレる。目の敵ともいうべき弟は、近くの小屋で鳩を飼っているが、鳩は鳥のなかでもとりわけえこひいきをする生き物らしい。そのせいもあってか、鳩は親と同様ぼくにとって最も憎むべき存在だ。行き場がなく、爆発寸前の若き魂の叫びが読み進めていくうちにどんどんおもりのように体の中に溜まっていく。それと比例するのように空虚感が広がっていく。(続)2013/05/10

メルキド出版

4
「十九歳の地図」(再読)2020/10/24

ますりん

2
短編を中心とした選集。個人的な好みとしては、長谷川和彦監督の代表作でもある「青春の殺人者」推しなので「蛇淫」といきたいところなのだけれど、これはもう映画のほうが原作を凌駕してしまっているので、この中では「十九歳の地図」をおススメします。これも映画煮えたぎる自己承認欲求とそれが満たされないルサンチマンでもうそこかしこ爆発・暴発してます。自分の10代を思い返すにつくづく切なくなる。Wikiでこの作品から尾崎豊の「十七歳の地図」が生まれたって書いてあるけどホントなのかしら? 2016/11/24

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