小学館文庫<br> 纏足―9センチの足の女の一生

小学館文庫
纏足―9センチの足の女の一生

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  • サイズ 文庫判/ページ数 410p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784094032413
  • NDC分類 923.7
  • Cコード C0198

出版社内容情報

纏足に生きた女たちの数奇な運命。

舞台は清朝末期の天津。女性の足を小さくするために、幼いころから足の指を足底に折り曲げて、布できつく縛る風習・纏足をめぐる千奇百怪の物語が繰り広げられる。貧しい家の美少女が類まれな小足ゆえに、天津の名家に嫁ぐが、彼女を待っていたのは数奇な運命だった。纏足を愛し、翻弄される人間をおかしみのある文体でつづり、文化とは、人間とは何かを問いかける。中国で大反響を呼んだ『三寸金蓮』、待望の文庫化。

内容説明

舞台は清朝末期の天津。女性の足を小さくするために、幼いころから足の指を足底に折り曲げて、布できつく縛る風習―纏足をめぐる千奇百怪の物語が繰り広げられる。主人公は貧しい家の美少女。類まれなる小足ゆえに、天津の名家に嫁ぐことになるが、彼女を待っていたのは数奇な運命だった―。纏足の秘技を語り、小足を弄ぶ男たち。激痛に耐えて足を縛る女たち。纏足を愛し、翻弄される人間をおかしみのある文体でつづりながら、文化とは、人間とは何かを問いかける。中国で大反響を呼んだ『三寸金蓮』、待望の文庫化。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

夜間飛行

63
(自然に変わるのでなく)身体を無理やり変えられるのって、どんな心境だろう。そんな体験をした事ない私には判らない。裂いた鶏に足を突っ込まされ、きつく曲げた指をぎりぎり縛られ…そうやって祖母から最高の纏足を施された香蓮は、佟家へ嫁ぎ、小足狂いの男達に人形扱いされ、女の争いに巻き込まれる。お大尽の道楽とはいえ女にとっては生きるか死ぬかの足比べの場で、香蓮の技はライバルを寄せ付けぬ高みへと向かった。佟家の一の奥様として誰にも負けられぬ矜恃。纏足を、不幸や残酷という観点からしか見なかった不明を恥じる気にさせられた。2017/03/22

10
清末期〜民国初期時代の纏足女の一生。誰かが言っていた。社会的に正しいか決めるのは法律ではなく、文化や風習だ、と。その節目に生きる人々にとって変化を乗り越えるのは難しい。本書は纏足を扱っているがどの国でも当てはまる部分があるんだろう。明治の人達を思い馳せた。コミカルな語り口でグイグイ読ませられる。9cm程の三日月型の足には女の意地とプライドと知識が詰まっていた。生きるも死ぬもこれ一つ。さながら小さき刀。9cm(三寸)の纏足(金蓮)が理想とされてた「三寸金蓮」という原題の方が良かったな。2013/08/31

ジュースの素

7
中国の奇習である纏足にまつわる物語。7歳で足を曲げて縛り上げ纏足にされた香蓮はやがてその足の小さく可憐な事から大きな商家へ嫁入りした。道楽者の男たちは 女たちの纏足の足比べなるイベントを時々設けて楽しんだ。時代は過ぎて段々と自然足の時代になり、その代表女性が実は・・・。驚きの最後のどんでん返しが 読者をピリッと目覚めさせる。2017/02/09

スゲ子

7
時は清朝末期、小足を見初められ大家に嫁いだ香蓮は黒衣の老女(月影先生!)に導かれ纏足の神髄を学び、嫁同士の足くらべ会に挑む!やがて街1番の美足となった香蓮が立ち向かうのは「自然足の会」!そして近代化の波だったのだ!筍、粽、菱の実、くちばし、そして何より蓮に例えられる纏足(原題は「三寸金蓮」)その奥深さにクラクラ!足を美しく魅せるための演出、手管、衣装、数多の紋様の刺繍、靴の形、それに合わせた縛り布…なんとも歪で美しく深淵な世界!「纏足…いいかも‼︎」とウッカリ思ってしまったよ!2016/06/18

ひこまる

6
日本人からしたらグロテスクとしか思えない纏足だが意外と奥深いものだったのだなw 講談調の文体なので読みやすいが、実は時代に翻弄される主人公の不思議な物語が切ない。文化こそ違えど人間の本質はどこも一緒だと改めて再認識させられた作品。2013/08/03

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