小学館文庫<br> 逆説の日本史〈7〉中世王権編―太平記と南北朝の謎

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小学館文庫
逆説の日本史〈7〉中世王権編―太平記と南北朝の謎

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  • サイズ 文庫判/ページ数 432p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784094020076
  • NDC分類 210.1
  • Cコード C0121

出版社内容情報

中世王権をめぐる戦乱の記をなぜ『太平記』と呼ぶのか?

日本歴史史上、天皇という王権がこれほどまでに激震した時代があったろうか。王権をめぐって天皇家と、武力をもってのし上がった足利氏との争乱には多くの謎が秘められていた。たとえば、なぜ戦乱の記を『太平記』と呼ぶのか? 「天皇家乗っ取り」目前に急死した足利義満は暗殺されたのか? その義満の野望を、金閣寺の奇妙な三層構造から解読するという大胆な手法を駆使した著者会心の歴史ノンフィクション待望の文庫化なる。

井沢 元彦[イザワ モトヒコ]
著・文・その他

内容説明

日本歴史上未曽有の戦乱期、その記録をなぜ『太平記』と名付けたのか?“天皇家乗っ取り”という野望成就を目前にして急死した足利義満は暗殺されたのか?数々の謎を秘めた南北朝の世に斬り込む逆説の日本史シリーズ文庫、待望の最新刊。

目次

第1章 足利幕府と南北朝1 尊氏対後醍醐編―戦乱を招いた天皇絶対国家の理想(後醍醐が直面した軍事力無き中央政府のジレンマ;尊氏に幕府開設を決意させた直義の「ニセ綸旨」 ほか)
第2章 『太平記』に関する小論編―巻二十二の欠落が暗示する作者の正体(欠落した巻二十二を境に大きな断絶が存在する謎;タイトルに隠された「欠徳の人」後醍醐に対する作者の思想 ほか)
第3章 足利幕府と南北朝2 尊氏対直義編―幕府政治の確立を遅らせた兄弟ゲンカ(半世紀以上の戦乱を招いた足利尊氏は「平和の破綻者」か;弟直義に「非情」になれない尊氏が招いた二大派閥の抗争 ほか)
第4章 足利幕府と南北朝3 「日本王国」足利義満の野望編―「天皇家乗っ取り」直前の不可解な死(「和」の精神が通用しない南北朝時代に求められた“怪物将軍”;寺社勢力に対抗する軍事力・政治力を持たなかった室町幕府 ほか)
第5章 「恐怖の魔王」足利義教編―「くじ引き将軍」が目指した絶対権力(足利義満、徳川家康は絶対的権力を確立した「平和の創造者」;四代将軍義持の後継者を「くじ」で決めた室町“連合”政権の困惑 ほか)

著者等紹介

井沢元彦[イザワモトヒコ]
作家・1954年愛知県名古屋市生まれ。早稲田大学法学部卒業。TBS報道局記者時代の80年『猿丸幻視行』で第26回江戸川乱歩賞受賞。以後作家活動に専念(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

KAZOO

131
第7巻では主に室町時代のことを中心に書かれています。あまり日本史の教科書には出ていないことを書かれていて、興味深く読むことができました。南北朝の問題や太平記に欠落しているところがあってそれについて面白い観点から分析されています。この時代は結構面白そうなのでもう少しほかの本でも読みなおしたい気がしました。2016/03/31

ころこ

36
天皇が権力を持とうとして武力を決して持もたないことの不思議さは、天皇が続いてきたことの理由と日本の権力構造の本質的な問題を表裏一体のようにみせます。天皇→日本、武士→アメリカとみれば「戦後民主主義の国体」そのものであり、軍事力のみならず幕府をアメリカに委ねている以上、憲法の成立過程は本当のところ関係なく、そもそも幕府の立場に立とうとしていためという、真に独立できない原因をこの時代の歴史が明らかにします。他方で、そんな空虚な天皇の地位に野望を抱く者が排除されるのが、歴史の偶然といえないところが不思議です。2020/02/14

デビっちん

27
「歴史にIfはない」という言葉はよく見かけましたが、そこで思考が停止していたことに気づきました。史実とは別にIfを考えるからこそ、それを活かすことができるのです。細かい年号や用語を覚えるのではなく、歴史の流れを大筋で理解することが、歴史学習の一番大切なことだと改めて認識しました。南北朝の動乱の流れ、金閣の本当の意味など、知っている言葉の背景にある流れがわかると、歴史を学ぶことがますます楽しくなりますね。「太平記」の名称の由来は予想通りでした。+細かい用語ばかり説明して全体像を見失わせていないでしょうか?2017/06/28

ひろき@巨人の肩

24
相変わらず面白い。日本史の授業で印象が薄かった南北朝と室町時代も井沢節により血の通った祖先の物語に生まれ変わる。後醍醐天皇、足利義満・義教の三人は日本人の規格を大きく逸していたことで現代日本での評価が変わってしまうというのは面白い。天皇家に挑戦した義満も安定幕府に向けた政治の礎を築いた義教も最終的に日本人特有の抵抗勢力に屈してしまうというのは日本で変革する難しさを感じずにはいられない。「最大のチャンスこそ最悪のピンチ」、「領土の広さ=統治者の評価の尺度」というのは歴史を読み解く際の重要な視点だと思う。2016/03/30

gtn

22
愚劣な君主と思想に殉じた大楠公が哀れ。2018/03/10

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