ともしび―被災者から見た被災地の記録

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ともしび―被災者から見た被災地の記録

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  • サイズ A5判/ページ数 118p/高さ 17cm
  • 商品コード 9784093882033
  • NDC分類 369.31
  • Cコード C0095

出版社内容情報

力強く生きる姿がありました

東日本大震災を受け、たくさんの報道がなされましたが、教訓となるはなし、心に刻みたいエピソード、驚くべき体験というものが、膨大な情報とともに流れ去ってしまっています。ここで、いま一度振り返り、これからもずっと語り継いでいきたいはなしを、河北新報、福島民報、岩手日報、三陸新聞など地方紙に掲載された記事や、シュープレス独自の取材の中から集約し、写真とともにじっくり読める一冊にまとめました。

「家族に“避難しろ”と伝えられなかった消防士。最愛の妻と一人娘を津波で失った。その後も捜索活動に取り組むのは“仲間といると壊れないでいられる”からと。はんてん姿の男達が支え合っている」
「避難所の小学生が作る、いいことしか掲載しない“ファイト新聞”」
「“見捨てるなんて、同じ生きものとして恥ずかしい”――警戒区域となった原発20キロ圏内に戻り、放射能汚染で出荷できない牛をいまも世話し続ける畜産家」
「“計算していては商品提供に時間がかかりすぎる”店長の独断で、商品を無償提供した西友汐見台店。その後、一時閉店を告げた張り紙には“ご恩は一生忘れない”など感謝の言葉で埋まっていた」
「仙台から石巻へ続くたった一本の幹線道路。救援物資を届けた帰りの人が必ず目をとめる場所に、いつからか“ありがとう”と書かれたプレートが並べられた」…など

内容説明

自分を救ってくれた少年の最期を伝えるため、その両親を捜し続けた介護福祉士、家族を失っても捜索活動に暮れる消防士。「仲間がいるから壊れないでいられる」、東京に疎開した小学一年生の息子と、福島に残った母との励ましの往復書簡、避難所の小学生が作る、いいことしか掲載しない“ファイト新聞”―など。東奥日報、岩手日報、三陸新報、石巻日日新聞、石巻かほく、河北新報、福島民友、いわき民報―地元に密着した地方紙が伝えた“東北人の3月11日”。

目次

命のともしび(天国の工藤君(福島県いわき市)
青い鯉のぼり(宮城県東松島市) ほか)
心のともしび(離れ離れ(福島県二本松市)
握った妻の手離さず(岩手県大槌町) ほか)
勇気のともしび(母子救出(宮城県東松島市)
牛を見捨てられぬ(福島県浪江町) ほか)
希望のともしび(津波に流されて(宮城県東松島市)
卒園証書(宮城県気仙沼市) ほか)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

しいたけ

127
地元の新聞の記事を集めたもの。あの日の怖さが生で迫ってくる。崇高な行いも、力が及ばなかったとの懺悔も、我が子の最期を思い描く姿にも、涙が溢れてたまらない。床板に乗り流された夫婦。負傷した夫をかばい幾つもの橋桁の下をスレスレで通過する。「津波に流された でもパパと無事 事務所の床にのってる 船みたい さむいけど大丈夫」このメールを受け取った息子はどんな気持ちだったろう。夫婦は7キロも流されて自力で上陸。助かって本当によかった。どの話にも、心臓を打つ音が早くなり痛かった。2017/03/23

ゆみきーにゃ

69
《図書館》3.11関連本。終始涙が止まらなかった。絶対に忘れてはいけない。風化させてはいけない。多くの人に読んでもらいたい一冊。2019/06/04

かんちゃん

30
東日本大震災後の新聞から、東北人の逞しさや希望に満ちた出来事を書いた記事を書籍化したもの。私が感じたことはむしろ逆だ。必ずしも誰もが前を向けたわけではあるまい。悲しみに沈んだ人の方が遥かに多いに違いない。それでも何とか命をつないだことに賛辞を贈りたい。生きてさえいれば、きっといいこともある。悪いことばかりがいつまでも続くはずがない。「頑張ろう東北」よりも「ふんばろう東北」に共感する。横綱相撲を取る必要はない。徳俵に足をかけ、かろうじて踏みとどまる。それでいい。まだ生きている、その喜びを共に噛みしめよう。2016/03/18

masa

28
この本は東日本大震災で被災した岩手・宮城・福島の地元新聞8紙が地元住民へ向けて伝え続けた紙面を紡いだもの。悲惨な状況を記事にしながらも、その文面からは地元の記者にしか書けない暖かなものが伝わってくる。心が折れそうになっている被災者に自分たちの記事が少しでも支えになることを祈りながら綴った彼等の痕跡をたくさんの人に知ってほしい。160452016/04/03

けんとまん1007

27
ともしび。いろんな灯がある。勇気、希望、夢・・・。そんな灯が、地方紙で届けられた。いわゆる全国紙と違って、身近な存在だからこそ、伝わるものが多い。飾ったものがなく、目線の位置が住民と同じ高さだかだろう。2015/08/22

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