パール博士「平和の宣言」

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パール博士「平和の宣言」

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  • サイズ B6判/ページ数 313p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784093877718
  • NDC分類 319.8
  • Cコード C0095

内容説明

「東京裁判」を全否定したパール判事の真の思想とは。極東国際軍事裁判で唯一「日本無罪」を主張したパール判事。1952年来日時の講演録、論文、滞日同行記をまとめた幻の書を復刊。

目次

第1部 アジアの良心―滞日同行記(田中正明)(パール博士の日本日記(真理喪失;アジアの流れに;法は一つ;不服従;パール地蔵;妻とともに;亡命の追想;紅い絨毯;恐怖なき心;仏心開眼;結婚の誓い;原爆の懺悔;戦犯家族;日本は私の恋人))
第2部 世界に告ぐ―講演録(世界に告ぐ―広島にて、世界連邦アジア会議における提言;再軍備、是か非か―東京大学における講演;平和への志向‐ガンジーの教養―早稲田大学における講演;戦犯釈放の法的根拠―唐協弁護士会館において;日本の法律家にあたう―大阪弁護士会館において;不公正の犠牲者 BC戦犯諸君に―巣鴨拘置所における講演要旨;仏陀のこころに生きる―法政大学における講演)
第3部 真理と平和―論文・評論集(サンフランシスコ条約の意味するもの;平和の仮面を剥ぐ;中共の細菌戦摘発問題;西欧文明と日本;日本・インド・中国の提携へ;世界に必要な宗教;アジア民族主義の思想的基調)

著者等紹介

パール,ラダビノード[パール,ラダビノード][Parl,Radhabinod]
1886年インド・ベンガル地方出身。カルカッタ大学理学部、法学部を卒業後、同大学法学部教授を経て、1941年カルカッタ高等裁判所判事、44年カルカッタ大学副学長、46年インド代表として極東国際軍事裁判判事に就任。裁判終了後、国連国際法委員会委員、同委員会委員長等を歴任。67年死去

田中正明[タナカマサアキ]
1911(明治44)年長野県出身。旧制飯田中学卒、興亜学塾に学ぶ。大亜細亜協会、興亜同盟にてアジア解放運動に従事。戦後、「南信時事新聞」編集長を経て、世界連邦建設同盟事務局長、国際平和協会専務理事等を歴任。2006年死去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

壱萬弐仟縁

12
1953年初出の復刊。「日本の自然は美しい。田園山村の人情もまたこまやかで美しい。日本こそ平和を好み、平和を守る国である」(29頁)。素晴らしい指摘。素晴らしい時代もあった。過去形になってしまう、3・11以後の日本。都留重人先生、ガンディも登場し、尊敬できる経済で平和志向する方々に賛意。93ページ写真によると、博士も被爆者に慰霊したようだ。第2部は講演録。伝統を尊重して新しい力を創ることを要望している(128-9頁)。原爆が当時世界を一変させたように、3・11が一変させた。歴史上、日本は重要な国家である。2013/06/13

7
博士の尊さは日本無罪判決への謝意から発するのではなく、法の番人として誠実に真理を希求する無私なる姿から自然に発してくる。如何なる時も万人に等しく用いられるのが法であり、東京裁判でのみ用いられた特例は私刑(リンチ)でしかない。戦勝国が戦敗国を一方的に裁くことのおかしさを解く博士の言葉はわかりやすい。真の平和は平和的手段(非暴力不服従)によってのみもたらされる。報復の連鎖を生む戦争は平和のための手段とはなり得ない。ガンジーの思想は明解だが、実現の困難さを思うと気が遠くなる。欲しかった答えではあるのだけれど。2017/08/05

4
なかなか読むのがしんどくて(浮かび上がってくる感情てきないみで)、読み進められなかった本。人種差別の中で立ち上がった大日本帝国と、インドがそれに期待してくれたこと。敗戦と、勝てば官軍の東京裁判。その中で、『真理』に尽くしたパール判事。9条改定が騒がれる中、現代の日本人が忘れさせられた歴史を思い出させてくれる、今こそ読むべき1冊。力ではなく真理に基づいて行動するにはどうしたらいいのだろうか。2014/12/27

ひでっち

4
東京裁判でA級戦犯全員を無罪とする意見を書いたパール博士の思想に触れることができる本。私は完全に戦後教育に洗脳されている(?)のか、正直に言えば、A級戦犯には日本を戦争に追いやった悪い人だというイメージがありました。もちろん、彼らには日本にとっての「敗戦」の責任はあるのでしょうが、本書を読んで「平和に対する罪」という罪名で裁くことが本当に正義にかなっていたのかは極めて疑わしいと感じました。2013/02/12

田山河雄

2
本書は東京裁判を概観し批判した著作ではありません。昭27年来日滞同記とその講演録、それに関する論文を掲載したものです。その意味で思う処とは違ったのですが、それでも東京弁護士会等での講演「戦犯釈放の法的根拠」「日本の法律家にあたう」など心に残るものがあります。どういう法律で裁いたのかと云う問題です。戦争犯罪人を裁くという国際法があったのか(ある訳ない)。当時チャーター(憲章又は裁判所条例)を定めて裁いたが、そのチャーターはどの国のソヴェレンテイー(主権・国権)に拠ったのか?これだけでも茶番だと分かるようです2018/08/09

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