出版社内容情報
誰もが笑えて共感できる、新・短歌ジャンル
自転車で君を家まで送ってた
どこでもドアがなくてよかった
失恋をグウで殴ってもう決めた
私今日からジャイアンになる
いま、若者たちの間でメールやblog上で「短歌」を作ることが静かなブーム。そんななか、カリスマ歌人・枡野浩一が呼びかけたお題、“ドラえもん”に、全国から続々と傑作が寄せられました。日常のなにげない思いや、恋のひとこまを、私たちに最も共有されている言葉に託して歌った「ドラえもん短歌」。日本人ならだれもが笑えてうなずける、まったく新しい短歌ジャンルの誕生です!
内容説明
歌人・枡野浩一の呼びかけに全国からぞくぞく集まった、新・短歌ジャンルの傑作選。
目次
ぼくたちのドラえもん
のび太となかまたち
ぼくたちのひみつ道具
そこにいるドラえもん
ねえ、ドラえもん
さよなら、ドラえもん
著者等紹介
枡野浩一[マスノコウイチ]
1968年9月23日、東京生まれ。歌人。短歌のみならず、作詞、現代詩、批評、小説、エッセイ、脚本など幅広く活動。1997年に刊行したデビュー短歌集『てのりくじら』はロングセラーに。短歌指導にも定評があり、NHK「スタジオパークからこんにちは」や「課外授業~ようこそ先輩~」「こんな夜にはケータイ短歌」などで大反響を呼んだ。また「真剣10代しゃべり場」のゲストとしても話題に
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
新地学@児童書病発動中
112
ドラえもんと短歌という意外な組み合わせの本だった。良い歌が多くて、読みながら吹き出したり、「うまい!」とつぶやいたり、ほろりとしたり。ドラえもんは季語のようなものとして、今の日本人の心に定着しているのかもしれないと思った。お気に入りの歌の一つをご紹介。「自転車で君を家まで送ってた/どこでもドアがなくてよかった」2014/04/26
めろんラブ
111
十数年前、西アフリカのコートジボワールに1ヶ月ほど滞在しました。疲労と緊張がピークに達した頃に現地のTVでふと目にしたドラえもんのアニメ。あの青くて丸い姿を見たとたん、涙がとめどなく溢れて。所謂ホームシックだったのでしょうが、ドラえもんはその時まさに私のホーム・拠り所の象徴でした。心の何割かをあの物語に育ててもらったからかもしれません。こちらに収録された短歌を詠んだ人もきっとドラえもんの子供たち。そして、それを読んで共感した人もきっと。湧き出るドラえもん愛を31文字にギュッと凝縮する技に魅了されました。2013/10/14
ひめありす@灯れ松明の火
108
ドラえもんって言うと、口元がにやけてしまうのは大好きな辻村先生の影響かな。けれど、日本の人たちの多くはドラえもんの名前を呼ぶ時に、すごく自然でリラックスした、素の表情を晒すと思う。あんな事良いな、出来たらいいな、をみんな叶えてくれる。だけど、その願いはいつか自分で叶えられる物と、諦められる物に分かれて万能のドラえもんに頼る事もなくなった。でも、ドラえもんを通して見る、あの頃の無邪気な自分達。何もかも叶えたかったわがままで純粋なあの頃。ねえ、役立たずでいいからずっと傍にいてね。君は、僕達の大切な友達だから。2012/05/13
takaC
106
毎月お邪魔している本の紹介イベントで今月紹介されていた中の一冊。20分くらいで読める。4年前に文庫既読なので実は再読だったのだけど初読感覚で読めた。どうなってんのオレの記憶機能。でも繰り返し楽しめるってことか。なるほど。2015/07/26
榊原 香織
92
おっもしろかった~!! ドラえもんて短歌になりやすいんですね。 ”七五調ドラやき”てアイテムもあるらしいし。 どこでもドアと暗記パンが欲しいけど。 ”青空の入道雲はそれはもう配色としてドラえもんです”by辻一郎 いい感じじゃないですか2020/12/09