出版社内容情報
兄・明信35歳、酒造メーカー勤務。
弟・徹信32歳、学校職員。
二人暮し。
読書家、母親思い、マイペースで人生を楽しむ兄弟だが、おたくっぽいと女にはもてない。 一念発起で恋人をつくろうと、徹信の同僚、葛原依子と、ビデオ屋の店員、本間直美を 誘って家でカレーパーティ、花火パーティーを開催する。しかし、女性二人とも 兄弟に興味なし、デートに誘うが断られる。 がしかし、兄弟の感性は次第に女性たちを動かすことになる----。
女性にとって本当に素敵な男性はどんな男性なのか。女性たちの圧倒的支持を得ている 江國香織氏の美しい日本語によるリズムある文体が遺憾なく発揮された作品。
内容説明
だって間宮兄弟を見てごらんよ。いまだに一緒に遊んでるじゃん。“そもそも範疇外、ありえない”男たちをめぐる、江国香織の最新恋愛小説。
著者等紹介
江国香織［エクニカオリ］
１９６４年東京生まれ。作家。１９８９年「４０９ラドクリフ」で第１回フェミナ賞を受賞。９０年に『こうばしい日々』が産経児童出版文化賞、坪田譲治文学賞受賞。『きらきらひかる』で９１年紫式部文学賞受賞。２００２年に『泳ぐのに、安全でも適切でもありません』で山本周五郎賞、２００４年に『号泣する準備はできていた』で第一三〇回直木賞を受賞
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
星群
51
女性に縁が薄い三十代の兄弟。けど、週末の映画鑑賞、「おもしろ地獄」という名のジグソーパズル、プロ野球のスコアを欠かさず付けるなど、その生活はとても魅力的。そう見えるのは、ぶれることのない『自分』を持っているからなのかな。後半の、弟・徹信の人妻を『奪う』発言には、大丈夫かな・・・と心配になったけど、台風一過。また、元のほのぼのとした生活が戻ってきて、ほっ。2013/02/28
しょこ
47
読書中の違う本がなかなか読み進まないので、コチラに浮気～☆ノリチチで一気に心奪われた！！笑。いいなぁ、間宮兄弟。一見冴えなくて地味で何でもない二人なのに、実に味わい深いというか、おにぎりでいえば(なぜに!?)昆布や梅のような感じ。妙に安心感がある。それぞれの感性を持ちつつ、同じ趣味を一緒に楽しむ二人の時間は読んでいるこちらもほっこり。こんなに居心地がいいと、この二人本当に結婚しないんじゃないのかい？そうはいうも、二人の世界に閉じこもらず、不器用ながらも他者と関わり合う姿はとても好ましいものだった。2018/04/13
horihori【レビューがたまって追っつかない】
46
間宮家の兄明信と弟の徹信は､まじめで清潔に気を配り普通なんだけど､兄弟で2人暮しなことや､容姿とか挙動とかその他もろもろ含めて｢そもそも範疇外､ありえない｣そんなモテない35歳と32歳の､比較的身近な女性との恋の話｡6人の女性が出てきて､女性と縁が薄い彼らがにわかに親密になっていくのは､楽しくドキドキやウキウキが伝わっくるけど､やっぱりちょっと空回り気味で滑稽｡しかも､それぞれの女性には､想い人がいたりして､結局､間宮兄弟は振り回される｡あたって砕ける前にスタートでコケて不戦敗みたいな｡けど悲壮感は少ない2007/11/30
吾亦紅
37
毎年夏になると読む『間宮兄弟』を今年も再読。何度読んでもいいなあと思う。家族の中だけで流行っている言葉や習慣ってあるけれど、それが5年10年、何十年と積み重なって出来ていく何かがあって、たとえこの先離れてしまうことがあっても、その何かが自分を助けてくれる、と思いながら読了。本間夕美の天性の聖母ぶりが素晴らしい。大垣沙織にも、間宮兄弟の部屋のような、繭のように居心地の良い居場所が見つかるといい。2020/08/05
吾亦紅
32
夏が近付くと読みたくなる「間宮兄弟」。毎年ぱらぱらとめくって好きなところだけ読んで満足するのだけど、今年は一気に最後まで読んだ。なんて愛しい30代独身兄弟。その夏、間宮兄弟と関わった女性たちは、それぞれの苦悩や呪縛から一歩抜け出すのだ。本人たちは気付いてもいないけど。読書日のくだりが特に好き。2019/07/05
