Q

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  • サイズ 46判/ページ数 672p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784093866996
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報





【紀伊國屋書店チャンネル】

圧倒的な「いま」を描く、著者史上最大巨編

千葉県富津市の清掃会社に勤める町谷亜八(ハチ)は、過去に傷害事件を起こし執行猶予中の身だ。ようやく手に入れた「まっとうな暮らし」からはみ出さぬよう生きている。唯一の愉しみは、祖父の遺したアウディでアクアラインを走ることだった。ある日、血の繋がらない姉・ロクから数年ぶりに連絡が入る。二人の弟、キュウを脅す人物が現れたというのだ。
キュウにはダンスの天賦の才があった。彼の未来を守るため、ハチとロクは、かつてある罪を犯していた。折しも、華々しいデビューを飾り、キュウは一気に注目を集め始めたところである。事件が明るみに出ればスキャンダルは避けられない。弟のため、ハチは平穏な日々から一歩を踏み出す。
一方、キュウをプロデュースする百瀬は、その才能に惚れ込み、コロナ禍に閉塞する人々を変えるカリスマとして彼を売り出しはじめた。<Q>と名付けられたキュウは、SNSを通じ世界中で拡散され続ける。かつてない大規模ゲリラライブの準備が進む中、<Q>への殺害予告が届く――。
抗いようのない現実と、圧倒的な「いま」を描く。世界をアップロードさせる著者渾身の一作。

【編集担当からのおすすめ情報】
直近の三作品が直木賞にすべてノミネート、2022年発売された『爆弾』でミステリランキングを席巻。著者の最新作は、圧倒的なスケールとスピードをはらんだ傑作となりました。発売前から書店員さんのあいだで話題沸騰。2023年、最大の注目作です。

内容説明

おまえは輝け。太陽が嫉妬するくらい。すべてを魅了する天才・キュウのため、血の繋がらない姉が犯した罪とは。

著者等紹介

呉勝浩[ゴカツヒロ]
1981年青森県八戸市生まれ。大阪芸術大学映像学科卒業。2015年『道徳の時間』で第61回江戸川乱歩賞を受賞しデビュー。18年『白い衝動』で第20回大藪春彦賞受賞、20年『スワン』で第41回吉川英治文学新人賞、第73回日本推理作家協会賞(長編および連作短編集部門)受賞、第162回直木賞候補。21年『おれたちの歌をうたえ』で第165回直木賞候補。22年『爆弾』で第167回直木賞候補(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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starbro

264
呉 勝浩は、ほとんどの作品を読んでいる作家です。著者の最新作は、ダークアイドルアヴァンギャルド家族小説巨篇でした。タイトルからウルトラQか007のQをイメージしていましたが、全く違いました。昨年読んでいたら2023年のBEST20候補だったかも知れません。QのLIVEを観てみたい♪ https://www.shogakukan.co.jp/pr/q/index.html2024/01/10

パトラッシュ

218
圧倒的な存在が放つ強烈な光を浴びた周囲は、驚愕、憧憬、嫉妬、憎悪など影を浮かび上がらせる。カリスマ的なダンスの天才青年を前にして、ある者は彼の才能を世界に広めようと動き、ある者は自分の届かぬ高みに絶望のあまり殺意を抱き、また自分の利益に利用しようと図ったりと様々な状況を発生させる。そんな無数の思惑が無許可の移動配信ライブというイベントに集約され、ただならぬ不穏な空気に満ちたドラマが展開していく。疾走感あふれるストーリーは面白いのだが、戦争や感染症に混乱する世界をダンスだけでそこまで動かせるのか疑問に思う。2023/12/04

hiace9000

130
目も眩む白熱に曝された暗夜に解き放たれる"Q"の空なる囁きに、抑圧を抱える世の民は酔い、感染し、侵食され、やがて覚醒していく。泥沼で生まれ、ドス黒く華やぐ芸能ビジネスと狂信者たちの愛憎で、真の偶像的カリスマへと祀り上げられる突然変異の妖狐、町井侑九。狂っているのは、時代か社会か、それとも人間かー。 今作でも過激で社会に先鋭な刃を突きつける呉さん。「爆弾」やら「テロ」やら「圧迫」やら…社会の閉塞感と肌感的にすぐ傍にある社会の違和感や不安感に、あの手この手でカウンターを繰り出し、読み手は顔面を打ち砕かれる。2024/02/04

はにこ

89
ひとを魅了する侑九。それに翻弄される人々。守るために人を殺したり、世の中にだすために手段を選ばなかったり。そこまで熱中したことがないのでイマイチピンとこない。Qという存在は太陽というより人を飲み込んでしまうブラックホールのように感じた。めちゃめちゃ分厚い本だったけど、軽い感想しか持てなかったな。2024/02/17

ずっきん

84
手にするとこの分厚さである。もう喜びしかなかった。けしてわたしを裏切らない物語が詰まってるのを知っているから。視覚映像オンチのわたしにキュウの美しさを届けることができるのは文章だけである。小説だからキュウの妖艶さ、ロクの頑迷さ、ハチのもがき苦しみを体験できるのだ。行く末など想像おぼつかず、ただただ息を呑みページを捲りつづける幸せよ。読む喜びとは騙されることだ。なんて心地よい嘘なんだろう。沼だ。どっぷり浸かったままでいたかった。残りページを減らし続けるわたしの興奮と絶望。その葛藤を、あなたもさあ味わえ。2023/12/06

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