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死にたい、ですか

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  • サイズ 46判/ページ数 276p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784093864886
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

いじめ遺族の苦悩と葛藤。心に迫る衝撃作

「お母さん。奇跡は起きないんだよ。だからもう一度、今の家族を見て」
四年前、人見由愛が中1の時に兄・典洋は高校でのいじめに耐えられず、自ら命を絶った。母の伊代は今も立ち直れず、裁判により兄の無念をはらそうと必死だ。父親はアルコール依存症に陥り、会社生活も惨憺たる状態。
家族は崩壊寸前。一方、母親からの依頼でいじめ裁判の取材を進める新聞記者・大同要は、自身のトラウマからこの家族に深入りするようになる。
沈みそうな家族を必死でつなぎ止めたい由愛。
彼女のもがいた末の選択は。そして、家族は・・・?



【編集担当からのおすすめ情報】
野間児童文芸賞受賞の著者が挑戦した、圧巻の一般文芸デビュー作になります。自らも虐待といじめを受け続けてきた、という著者がずっと書きたい、と情熱をもっていた自死遺族の苦しみと再生の物語。何度も何度も足を運び取材を重ねた法廷シーンのリアルさ、迫力。浮かび上がってくる理不尽、やり場のない哀しさ。それでも、生きていく人間の強さともろさ。すべてが、熱を帯びて心に迫ってきます。真っ向からいじめ遺族の問題に切り込んだ意欲作。絶望の先に見えてくるうっすらとした希望の光を,是非体感してください。

村上 しいこ[ムラカミ シイコ]
著・文・その他

内容説明

「お母さん。奇跡は起きないんだよ。だからもう一度、今の家族を見て」四年前、人見由愛が中1の時に兄・典洋は高校でのいじめに耐えられず自ら命を絶った。母の伊代は今も立ち直れず、裁判により兄の無念をはらそうと必死だ。父親はアルコール依存症に陥り、会社生活も惨憺たる状態。家族は崩壊寸前。一方、母の依頼で裁判の取材を進める新聞記者・大同要は、自身のトラウマからこの家族に深入りするようになる。沈みそうな家族を必死でつなぎ止めたい由愛。彼女のもがいた末の選択は?そして、家族は…。迫力の法廷シーン、血の滲むような心の叫び。いじめによる自死遺族の苦悩と葛藤を描く衝撃作。

著者等紹介

村上しいこ[ムラカミシイコ]
1969年三重県生まれ。幼年期よりいじめや虐待を受け、高校への進学もさせてもらえず就職。成人を機に家を飛び出し旅館で住み込みの仲居に。小さな童話大賞・俵万智賞受賞をきっかけに、2003年「かめきちのおまかせ自由研究」でデビュー。2015年「うたうとは小さないのちひろいあげ」(講談社)が第53回野間児童文芸賞に。絵本から小説まで幅広く活躍。著作は七十冊を超える。『死にたい、ですか』で一般文芸デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ミカママ

358
【プルーフ版】野間児童文芸賞受賞作家による、一般文芸デビュー作。いじめにより自殺した男子生徒の物語かと思いきや、焦点は残された家族の苦悩と再生であった。彼の自殺により、彼の家族もまた壊れてしまう。殊に母親の娘に対する態度に違和感を覚える読者も多いと思うが、手書きのあとがきを読んで、作者の生い立ちによるバイヤスがかかっているのかも、と感じる。迫力に満ちた法廷シーン、児童文芸作家さんらしい読みやすさも特徴。わたしが中学生ならば、夏休みの読書感想文用に選んでいたかも。2018/07/25

いつでも母さん

193
「死にたい、ですか?」「死にたい人はずっと死にたいんです。」この言葉が突き刺さる。いじめで自殺した息子の為に母の出来る事は?ただ、謝罪が欲しかっただけなのに・・自らの家庭が音をたてて崩れて行くことに目を背け、酒に逃げた夫やそんな親をみて娘も苦しんでいたのだ。このまま沈むのか・・再生する家族の物語だった。「お兄ちゃんは、誰も憎めなかったから死んじゃったのだと思う。」そう言った妹がこの沈みそうな家族の『浮き袋』なのだ。「生きている人間は、自分の人生を生きなきゃいけないんです」頭では分かっているこの言葉が重い。2018/09/01

🐾Yoko Omoto🐾

166
いじめを苦に自殺した少年。彼の苦しみはそこで終わり、残された遺族には更に過酷な苦しみが残された。生前の兄への態度に強い後悔を残す妹、酒に逃避する父親、生きている娘より亡くなった息子しか見えない母親。加害者に謝罪を求める裁判を軸に、残された者はどう生きればいいのかと問いかける秀作。被害者加害者どちらに肩入れするでも無い描写が現実問題としての重みを増す。「死にたいと思っている人は、みんな見つけて欲しいんです」、誰かに話すこと、聞いてくれる人がいること、それは人が生きていくのにとても大切な事だと心から思った。➡2018/10/22

machi☺︎︎゛

145
4年前に人見家の長男はいじめを苦に自殺で亡くなった。それから人見家は段々と崩壊していく。愛されたい娘、酒に逃げる父、現実を受け入れられない母。それを母に依頼され、家族に対し暗い過去を持つ新聞記者の大同要が取材していく。いじめを隠蔽しようとする学校サイド、いじめていた加害者からの心無い言葉、読んでいてとても辛かった。だけどその中で幸せを模索して必死にもがいていく家族の姿が最後は救われるかたちで良かった。でも決していじめは許される事ではない!!2020/06/27

ででんでん

115
「死にたい人は、ずっと死にたい」この文章がぐさりとくる。でも、小さくてもいい、水底から明るい方へ引き揚げる、黄色い浮き輪があれば、それを投げてくれる人がいれば…。この物語の家族のなかで由愛だけが、必死に浮き輪になろうとしていた。本当なら大人が、沈みそうになる子どもたちを、水面へと押し上げなければならないのに。著者の村上さんは、「れいぞうこのなつやすみ」などの、ユーモラスな児童書でファンになった方。短歌三部作のシリーズもとても好きだったが、今作は、著者自身の生いたちから生まれたのかと年齢も近いだけに感無量。2018/10/04

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