大沼ワルツ

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  • サイズ B6判/ページ数 381p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784093864480
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

北海道絶景の地の実話も元にした奇跡の物語

大沼は、明治時代、手つかずの美しい自然に魅せられた開拓民が入った地。香川県から移り住んだ、倉島家に育った三兄弟の長男・秀雄は、第二次世界大戦中、東京で溶接学校に通っていた。秀雄は、よく行く寿司屋で、山梨から住み込みで働きにきていた、坂田家の長女・以久子と出会う。恋に落ちて結婚した二人は、大沼に戻って暮らし始める。そして、長男長女に続き、どうしたことか、次男には次女が、三男には三女が、順に嫁いでいくことになる。三夫婦は、様々な困難に見舞われながらも、この地に新風を注ぎ込んでいく……。
北海道を舞台に数々の小説を発表してきた著者が、5年の歳月をかけて紡ぎ上げた、実話を元にした渾身の作品。

谷村 志穂[タニムラ シホ]

内容説明

大沼を開拓した者たちの係累として、大沼の地で自分たちらしく根を張ろうとした小さな母と、長身の三兄弟、また、大沼を自分たちの新天地と考えて、山梨より順に嫁いでいくことになる、それぞれに個性の異なる三姉妹。この大家族は、様々な困難に見舞われながらも、この地に新風を注ぎ込んでいく…。北海道を舞台に数々の小説を発表してきた著者が、5年の歳月をかけて紡ぎ上げた渾身の作品。

著者等紹介

谷村志穂[タニムラシホ]
1962年札幌市生まれ。北海道大学農学部卒業後、雑誌編集者などを経て作家に。1990年『結婚しないかもしれない症候群』がベストセラーに。1991年『アクアリウムの鯨』で小説家デビュー。2003年、『海猫』で第10回島清恋愛文学賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

いつでも母さん

137
久し振りの谷村作品。実話を題材とか・・雄大な駒ヶ岳の麓大沼で開拓者の係累・特に三兄弟の結婚からその時々の世情や大沼・函館の様子が垣間見える。兄弟の母・那須子が逞しい。自分は香川県から嫁ぎ長い間帰郷もせずに、だが三人の嫁(しかも山梨から同じ三姉妹を自分の息子たちに添わせる)には何度も里帰りさせ、姑として優しく包むことはなかなか出来ないと思った。兄弟がそれぞれのやりたいことを支える三姉妹。こんな大家族がいたのだなぁ。ユースホステルの閉館にはちょっと胸を熱くした。三姉妹を嫁がせた山梨の親の本音を知りたかった。2016/09/22

おくちゃん🌸柳緑花紅

104
谷村志穂さんの北海道への深い愛情が感じらる。大沼。私の両親は大沼にほど近い場所の出身。結婚を機に札幌へ住まいを移したらしい。若かりし頃の両親の姿が見えるようでそして今は旅立ってしまった両親をすぐそばに感じながらの読書となった。おおらかで自分が決めたのなら好きなようにしてよいといつも見守ってくれたこと。三人兄弟のところへ三人姉妹が嫁ぐって?と、何かあるのでは?と勘ぐっていた私ですがそれを含めて大きなものに包まれて許されて認められていた。久しぶりの谷村作品はとても良い読後感を与えてくれた。2017/04/21

ゆみねこ

86
北海道大沼の三兄弟の元に嫁いだ山梨の三姉妹。長女以久子の気性を気にいった姑那須子が次男には次女、三男には三女をと。姑は四国から何も縁のない大沼へ嫁いで苦労したので、嫁たちには優しい。美しい自然に恵まれた大沼の大家族、実在のモデルがいらっしゃるとか。朝ドラ原作向きかもしれません。2016/08/30

ぶんこ

78
北海道の3兄弟の元に嫁いだ山梨の3姉妹。ずっと物語として読んでいたので、この感想を書くにあたって皆さんの感想で実話と知り驚いています。知人も友人もいない土地での生活に飛び込むには覚悟がいりますが、仲の良い姉が居てくれたら安心ですね。しかもお姑さんが実にできた人でした。大沼は北海道に行った時に通りかかっただけでしたが、黄昏時の穏やかな情景に魅了された思い出があり、読後は泊まりで行きたくなりました。北海道を切り開いていった先祖の勤勉さ、勇気を山梨の妻たちも持っていましたね。働きぶりに感嘆。爽やかな読後です。2016/09/27

それいゆ

73
昭和20年代生まれの私たちの世代を描いた「北海道版三丁目の夕日」の世界でした。我が家に洗濯機が届いたのもこの頃です。洗濯槽しかなく、脱水はゴム製のローラーを手回しで絞っていました。皇太子殿下のご成婚を機会にテレビを購入したのは小4のときでした。大学時代にはユースホステルを利用して一人旅をしました。北海道へは行けませんでしたが、カニ族の旅はあこがれでした。知らない土地だという開放感でしょうか、同じような一人旅の女性と湖でボートに乗り、記念写真を撮りあい、いっしょに名所めぐりをしたのは、懐かしい想い出です。2016/08/05

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