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霧(ウラル)

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  • サイズ B6判/ページ数 315p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784093864206
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

今日から海峡の鬼になる。記念碑的傑作誕生

舞台は、国境の町・根室
男の屍を越えて生きてゆく女たち。
北海道最東端・根室は、国境の町である。戦前からこの町を動かしてきた河之辺水産社長には、三人の娘がいた。長女智鶴は政界入りを目指す運輸会社の御曹司に嫁ぎ、次女珠生はヤクザの姐となり、三女早苗は金貸しの次男を養子にして実家を継ぐことになっている。昭和四十一年の国政選挙で、智鶴の夫・大旗善司は道東の票をまとめ当選を果たした。選挙戦を支えたのは、次女・珠生の夫で相羽組組長の相羽重之が国境の海でかき集めた汚れ金だった。珠生は、大旗当選の裏で流された血のために、海峡の鬼となることを誓う。



【編集担当からのおすすめ情報】
桜木版『ゴッドファーザー』であり、
桜木版『極道の妻たち』であり、
桜木版『宋家の三姉妹』!
2015年11月7日(土)映画公開の
『起終点駅(ターミナル)』(小学館文庫)と合わせて、
大々的に宣伝展開予定です!



桜木 紫乃[サクラギ シノ]
著・文・その他

内容説明

国境の街・北海道根室。有力者の娘・珠生が恋に落ちたのは、北の海の汚れ仕事を牛耳る相羽組の組長だった。

著者等紹介

桜木紫乃[サクラギシノ]
1965年北海道生まれ。2002年「雪虫」で第八二回オール讀物新人賞を受賞。07年、初の短編集『氷平線』が新聞書評等で絶賛される。13年、『LOVE LESS』で第一九回島清恋愛文学賞を受賞。同年『ホテルローヤル』で第一四九回直木三十五賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

starbro

260
桜木紫乃は新作中心に何冊か読んでいる作家です。今回は根室を舞台にしたノワールです。根室の情景と良家の三姉妹、それに絡む男達、昭和のノスタルジー浪漫の物語がイカしてます。小股の切れ上がったゴッドマザー誕生で、シリーズ化の構想もあるのかなぁ。ところで桜木紫乃は北海道の宮尾登美子を目指しているのでしょうか?2015/11/11

ナイスネイチャ

253
図書館本。舞台は昭和30年代の根室。3人の女兄弟が政治家、ヤクザ、金貸しの妻として嫁いでいき、それぞれ夫を支えながら生きていく。今回もジメジメした湿気が感じられる文章。それに加え肌に突き刺さる霧と漂う流氷、荒れ狂う荒波が主人公珠生の人生とリンクして読んでました。2016/01/08

おしゃべりメガネ

206
期待どおり、いやそれ以上の北海道は道東の雰囲気をあますことなく完璧に伝えた作品でした。今作は戦後の北海道の最東端根室を舞台に3姉妹が繰り広げる熱きオンナの静かなる戦いを描いた壮大なクロニクルです。政治家の妻となる長女、ヤクザもんの妻となる次女、そんな光と影のような間柄の姉二人の政略に利用されるかのような結婚を控える三女、それぞれが自分のオンナとしての思い、男を想うキモチを抒情観たっぷりに書き綴っています。桜木さん特有のダークで湿った陰鬱なカラーはさらに完成度があがっており、確固たる作風を築いています。2016/11/06

れみ

173
根室で水産業を営む家に生まれ、良い長女を演じ運輸会社の家に嫁ぎ夫を政治家にするべく奔走暗躍する智鶴、家を飛び出し花街で芸者をしたのち土建業と裏稼業を手掛ける男のもとに嫁いだ次女の珠生、二人の姉が生き方を受け容れがたいと思う三女の早苗。三人の女性と彼女たちを取り巻く家同士や土地のなかに渦巻く力関係…あまりにもやるせなくて鬱々としてくるけど読むのをやめられない。桜木紫乃さんの書くお話には、じくじくと身を侵食するような寒さをいつも感じる。2017/02/19

あさひ@WAKABA NO MIDORI TO...

166
数年ぶりに読む桜木作品だったけど、やっぱ、この作家すごいわ。日本の北のはずれ、根室を舞台に、やくざものの妻となった女の、昭和35年からの6年間を描く。相変わらず起伏のない淡々とした筆致。しかもびっくりするような奇抜な展開があるわけでもない。でも、文章の一つひとつに深く思いが込められ、一人の女の迷い、疑念、そして決意を見たような気がする。以前、旅したことがあるが、あの野付半島の荒涼とした風景に飲み込まれてしまうような物語だ。2021/06/14

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