鳩の撃退法〈上〉

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  • サイズ B6判/ページ数 476p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784093863889
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

誰もが読みたかった著者5年ぶりの長編小説

かつての賞作家・津田伸一は、いまはとある地方都市で無店舗型性風俗店「女優倶楽部」の送迎ドライバーとして暮らしている。ある日、明け方のドーナツショップで顔見知りになった男が、その日の夜を境に妻と幼い娘ともども失踪するという事件が起きる。
家族三人の「神隠し」事件から一年と二ヶ月が過ぎた頃、以前から親しくしていた古書店の店主・房州老人の訃報とともに、津田伸一のもとへ形見のキャリーバッグが届けられた。老人が生前、持ち歩いていた愛用の鞄はしっかり鍵がかかっていて、重みもある。なんとか開錠した津田伸一の目に飛びこんできたのは、数冊の絵本と古本のピーターパン、それに三千枚を超える一万円札の山だった。
この老人からの遺産で、残りの人生を楽しく生きられると思ったのも束の間、行きつけの理髪店で使った最初の一枚が偽札であったことが判明する。女優倶楽部の社長によれば、偽札の出所を追っているのは警察ばかりでなく、一家三人が失踪した事件も含めて街で起きた事件には必ず関わっている裏社会の“あのひと”も目を光らせているという。まさか手もとの一万円も偽札なのか。白黒つけたい誘惑に勝てず、津田伸一は駅の券売機に紙幣を滑り込ませてみるが……。

【編集担当からのおすすめ情報】
家族の失踪をはじめ、謎が謎を呼ぶドキドキの展開にも惹きつけられますが、それとともに、著者ならではのユーモアと遊び心あふれる語り、思わず吹き出してしまうコミカルな会話のやりとりなどを存分に堪能できます。上下巻という(ある意味)仰々しい体裁に身構える必要もまったくありません。とりあえず物語をお愉しみいただきたい。読み進むうちに思いもかけない小説の世界に引き込まれます。ケタ違いのおもしろさにみちた、文字通り佐藤正午氏の最高傑作です。自信を持ってお薦めします。

内容説明

かつての売れっ子作家・津田伸一は、いまは地方都市で暮らしている。街で古書店を営んでいた老人の訃報が届き形見の鞄を受け取ったところ、中には数冊の絵本と古本のピーターパン、それに三千万円を超える現金が詰め込まれていた。「あんたが使ったのは偽の一万円札だったんだよ」転がりこんだ大金に歓喜したのも束の間、思いもよらぬ事実が判明する。偽札の動向には、一年前に家族三人が失踪した事件など、街で起きる騒ぎに必ず関わっている裏社会の“あのひと”も目を光らせていた。

著者等紹介

佐藤正午[サトウショウゴ]
1955年長崎県生まれ。長編小説『ジャンプ』(00年)が「本の雑誌」2000年度ベスト1、『Y』(98年)が「おすすめ文庫王国」第1位、『身の上話』(09年)が「ダカーポ最高の本!2010」国内ミステリー第1位に選出(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

starbro

196
久方ぶりの佐藤正午、しかも5年ぶりの新刊です!キャラの濃い登場人物、ミステリアスな状況設定、上巻は一気読みです。最終的ににどういう結末が待っているのか下巻が非常に楽しみです。ところで950P超の中で、「ぬまもと」「ぬもと」の遣り取りは何回出て来るのでしょうか?2014/12/23

シナモン

159
映画の予習。うーん、とにかく文章が回りくどくて…読むのに苦労しました。大体の流れが分かればいいやと半分流し読みに。ピーターパン、ドーナツ屋、偽札、一家三人神隠し事件……話があっちへ飛んだり、こっちに戻ったり。どこまでが現実でどこからが津田が書いた小説なのか…全てが混沌としてきて頭がごちゃごちゃになって大変でした。映画化じゃなかったらたぶん読まなかっただろうな。でも結末は気になる。頑張って下巻も読みます。2021/06/12

巨峰

100
この作者らしく主人公は地方在住の中年のぐだぐだした小説家。ところがこの小説は、数千万円の偽札やら、一家3人・郵便配達・デリヘル嬢の蒸発やらに彼が巻き込まれて、すごくきな臭い。小さな町ゆえにか人が入り混じっていてしっかり読まないと混乱してしまうけど、ここまですごく面白い。デリヘル嬢の源氏名が往年の映画女優ばかりなのも面白いです。上巻の最後でたくさんの伏線を回収してしまったから、よけい下巻の展開が読めない。下巻が楽しみです。2018/08/24

☆よいこ

92
映画化が気になり読んでみる。▽小説家の津田は、今はデリヘルのドライバーとして働いてる。津田は夜中にドーナツショップで出会った幸田秀吉が、妻と4歳の娘と共に行方不明になっていると聞く。デリヘルの女と郵便屋の男も消えた。古本屋が残したキャリーバックには偽札が詰まり、津田は一文無しになる。津田は雪の夜の出来事を思い返し、小説を書いていく▽時間軸が前後し、津田の一人称で都合よく事実が隠されている。ストレスの多い上巻だった。2021/08/29

拓郎

84
佐藤正午さんは合う作品と合わない作品があるのでどうかとおもいましたがとりあえず上巻は読み終わりました。今のところ私にとって傑作とは言えませんが下巻を引き続き読んでみようと思います。2016/02/24

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