ライアの祈り

森沢 明夫【著】

小学館（2012/10発売）

• サイズ B6判／ページ数 335p／高さ 19cm
• 商品コード 9784093863421
• NDC分類 913.6
• Cコード C0093

出版社内容情報

『津軽百年食堂』に続く青森三部作完結編！

高倉健主演映画『あなたへ』の小説版が18万部で話題の森沢明夫最新作。今作品はベストセラー『津軽百年食堂』『青森ドロップキッカーズ』に続く青森三部作の完結編です。
青森県八戸で眼鏡店の店長を務める桃子はバツイチの35歳。弘前で100年続くそば屋の長女でもある。不幸な離婚を経験、恋に臆病になってからずいぶん経っている。そんなある日、人数合わせで誘われた飲み会で出会ったのは、何とも風采のあがらない考古学者だった。彼の手引きで遺跡の発掘に目覚めた桃子だったが……。
平成から遡ること遙か昔。縄文の村で暮らす若き狩人ライア。化け物のようなイノシシと果敢に戦い、決して弱音を吐かない勇者だ。心に「神の欠片」を持つライアは不思議な魔力を持つ愛犬ギンを従え、波乱の人生へと船出してゆく……。
平成と縄文の二つのドラマが感動のクライマックスへと読者を導いていきます。
現代人が忘れかけている温かくて懐かしい心と心の触れあいが今作品のテーマです。さらに青森の手つかずの自然、遺跡、そして思わずつばを飲み込む美味しい食べ物の数々。心が辛い今だからこそ読みたい、ハートウォーミングな傑作小説が誕生しました。

第一章 太古の夢
第二章 誕生の刻
第三章 希望の酒
第四章 血の交易
第五章 家族の掟
第六章 輪廻の煙
第七章 芽吹きの報
あとがき

内容説明

３５歳バツイチ。恋に臆病な桃子の前に現れたのは何とも不器用な考古学者。遙かな時を超えて愛の絆が甦る…。青森三部作完結編。

著者等紹介

森沢明夫［モリサワアキオ］
１９６９年千葉県生まれ。早稲田大学人間科学部卒業。『津軽百年食堂』は２０１１年に映画化。『あなたへ』（幻冬舎）は高倉健主演映画の小説版として１８万部のベストセラーに。ノンフィクション作品『ラストサムライ片目のチャンピオン武田幸三』では第１７回ミズノスポーツライター賞優秀賞を受賞（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

[おしゃべりメガネ]

森沢さんの‘青森三部作’完結編です。前作、前々作と脇役ながら、結構なインパクトを残してくれていた「桃子」さんが主人公で話は展開していきます。キーワードは‘縄文’で、過去（前世）とのつながりを軸に、自分の背負った運命（宿命）について前２作とはちがったテイストで書かれています。しかし、出来れば単純に現在の「桃子」さんと「クマゴロウ」さんのお話だけにして、深く、楽しく書いてくれたらもっともっと温かみが増したのではと勝手ながら思ってしまいました。でも、やっぱり最後はお約束どおり？超感動の嵐が襲ってきました。

2013/12/22

[紫 綺]

『津軽百年食堂』『青森ドロップキッカーズ』に続く青森三部作の完結編。森沢さんは千葉県出身なのに、よっぽど青森に惚れ込んだんだな。現代と縄文時代を交互に描くリンクスタイルで、ファンタジーと現代小説が二度楽しめる不思議な感覚。人を思う心、人を信じる力に心を震わす。

2015/04/13

[文庫フリーク＠灯れ松明の火]

縄文時代→遮光器土偶→青森・五能線の木造駅→成田美名子さん『ＮＡＴＵＲＡＬ』青森合宿と浮かんでしまう私に、サンダー・バーのマスター、メーカーズ・マークをロックで。チェイサーもお願いします。青森三部作完結編は『津軽百年食堂』の娘で『青森ドロップキッカーズ』でも味のある脇役だった大森桃子が主役。森沢さん、ファンタジーもイケるじゃないですか。縄文時代のライアの狩りとシャーマンとして新たに輝く「神の欠片」縄文ファンタジーだけでも十分魅力的なのに、輪廻した魂・桃子とクマゴロウを描く筆致の温かさ。ちょっと奮発して→

2014/03/28

[masa]

全編を通して人の優しさにどっぷり浸れると同時に、我々の命は脈々と繋がり未来へも繋げていることへ想いを馳せることができた。特にラスト70ページは涙なくして読めなかった。現代と縄文時代の二つの物語をシンクロさせる手練は流石だが、何より作者の青森LOVE♥がひしひしと伝わってくる。私の家内が八戸出身なので、馴染みの場所が沢山書かれており、より物語に没入できた。森沢さんは初読みで、青森三部作の最後から読んだことになったが他の2作にも本作の主人公・大森桃子が重要な脇役として登場するとのことで楽しみになった♪1598

2015/06/18

[takaC]

16週間前に図書館から借りて少しだけ読んで時間切れで2週間後に返却した本を再び借りて読んだ。リサーチ不足で知らなかったけどこれが俗に言う「青森三部作」の三作目だったのね。登場人物もつながっていたとは知らず、一作目『津軽百年食堂』が今も積読で未読なことを少し後悔した。

2014/05/08