出版社内容情報
水たまりで、目の前に現れた水しずくに話しかけられたぼくは、その水しずくをぴしゃんちゃんと名付けた。おてんばなぴしゃんちゃんとぼくの、ほのぼのとしてちょっとせつない物語。著者によるカラーイラスト入り。
内容説明
ぼくは、町はずれの借家で、薬草を売りながらその日暮らしをしている。ある日、庭の葉っぱの上に現れた水しずくを、ぼくはぴしゃんちゃんと名付けた。人々のなかで上手に生きられないぼくと、水しずくらしく蒸発したくてもできないらしいぴしゃんちゃんは、似た者どうしだった。ぴしゃんちゃんとぼくは、次第に仲良くなっていく。お互いの事情もわかってきて…。小生意気な「水しずく」と不器用な「ぼく」似た者どうしがせつなく心を通わせる魂の物語。
著者等紹介
野中ともそ[ノナカトモソ]
東京都生まれ。明治大学文学部文学科演劇学卒業。1998年『パンの鳴る海、緋の舞う空』で小説すばる新人賞を受賞。ニューヨーク在住(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
みーまりぽん
8
タイトルでなんとなくは想像のつくストーリーではあるのですが、、 こういうの好きすぎるなぁ俺。 ぴしゃんちゃん、かわいいわー 成長早いから最後はその線で終わるのかと途中で思ったけれど違いました。蒸発してしまうのかとも思ったけれどそれも違いました。 ま、そんなことはともかく、かわいいぴしゃんちゃんをながめていれば幸せになれそうな感じです。2014/08/11
ダリヤ
8
ジョーハツと、ぴしゃんちゃんのかんけいが、ゆっくりとちぢまっていくごとに、おたがいが、それぞれにおたがいのかことむきあって、やさしいものにしていくかんじが、すき。みえなくなっても、みえないだけで、たいせつなものは、そらのなか、あめのなか、へやのなか、くうきのなか、じぶんのなか、いつだってそばにある。せつないけれど、やさしいきもちになれるすてきなものがたり。2012/03/16
ひ
1
かわいらしくてほのぼのとした本。最後はしっかりしちゃってたね。ずっとほのぼのの方がよかったな。
夏児-kaji-
1
大人向けの童話といった印象。縛られることが嫌いで頻繁に姿を消してしまう"ぼく"ことジョーハツと、雫のぴしゃんちゃん。なんとなく似た者同士なふたりの絡みが優しい文章で綴られています。こまっしゃくれた口調でおませなぴしゃんちゃんが可愛いんですが、なんだかたまに少しイラッとくる時がありました(笑)2015/08/11
こよこよ
1
欠けていく月の上で、避難している人達を心配するぴしゃんちゃんがかわいい2013/03/15