津軽百年食堂

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  • サイズ B6判/ページ数 333p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784093862455
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

内容説明

ふるさと「弘前」を離れ、孤独な都会の底に沈むように暮らしていた陽一と七海。ふたりは運命に導かれるように出逢い、惹かれ合うが、やがて故郷の空へとそれぞれの切なる憶いをつのらせていく。一方、明治時代の津軽でひっそりと育まれた、賢治とトヨの清らかな恋は、いつしか遠い未来に向けた無垢なる「憶い」へと昇華されていき…。桜の花びら舞う津軽の地で、百年の刻を超え、永々と受け継がれていく“心”が咲かせた、美しい奇跡と感動の人間物語。

著者等紹介

森沢明夫[モリサワアキオ]
1969年千葉県生まれ。作家。早大卒。「ラストサムライ片目のチャンピオン武田幸三」で第17回ミズノスポーツライター賞優秀賞を受賞。ヒット小説「海を抱いたビー玉」は韓国語版にもなり人気を博す。小説、ノンフィクション、エッセイと幅広い分野でエンターテーメント作品を生み出している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

おしゃべりメガネ

248
本当に何もかもが温かい素晴らしい作品でした。家族、親子の絆、大切な人への想い、故郷に対する愛国心、ありとあらゆる感動の要素が溢れんばかりつまっている内容でした。「陽一」と「七海」の視点を交互にして、それぞれの想いを書き上げていき、二人を見守り、温かく包み込む、周囲の人々もこのうえなく素敵でした。やはり「陽一」のお父さんの息子に対する想いや理解度は、並大抵の親子ではなしえないぐらい、最高のやりとりです。そして「七海」の師匠もこれまた負けじと素晴らしい方で、その厳しさの中にも愛情がある雰囲気にまいりました。2013/12/18

風眠

224
タイトルと表紙の雰囲気で、3世代にわたる食堂の歴史と家族の物語を綴った大河ものかと勝手に思っていたが、3代目が食堂を継ぐか継がないかという現代がメインの物語だった。想像と違う感じだったが、いい意味で裏切られた温かい物語だ。男女が二人でいるときに、どっちかの頭の上に桜の花びらがおちると、二人の想いが叶うというシーン、初代と3代目、100年の時が繋がったところでホロリとさせられる。そしてどちらの女も「嘘だよ、今私が考えた」と言う。その言葉が粋で、とても素敵だなと思った。2012/10/27

まちゃ

218
津軽・弘前で3代続く「大森食堂」。百年の刻を超えて受け継がれていく家族の心の物語。ふるさとを離れて東京で底に沈むように暮らしていた陽一と七海。二人の出逢いと惹かれ合うさまが清々しかったです。家業を4代受け継げたらどんなに良いことでしょうか。2016/05/04

文庫フリーク@灯れ松明の火

164
これから読まれる方は読了後に。すでに読了し、手元に本作有る方にはお試し頂きたい再読の方法。初代・大森賢治のページ(P16〜・31〜・54〜・76〜)のみ読み継ぎ、P310〜の大森トヨの章を読み終えたら、最後に表紙をご覧頂きたい。これだけで見事な短篇小説となっている。初代の物語‐鰯の焼き干しで引いた出汁(だし)の旨味が根底に有ってこそ、大森陽一と筒井七海。二人の不器用でもどかしい恋が息づく。初代の言葉「物事の終わりは必ず感謝で絞めろ」が生きる。こんな再読も「粋」ではないかい?巻末の実在する→続く2013/03/04

紫 綺

162
百年続く津軽蕎麦の大森食堂。登場人物それぞれの視点から、それぞれの人生や恋が描かれ、人の温かさを感じた良作。・・・物事の終わりは必ず感謝で締めろ。いつ如何なる時も最後はありがとうで締めくくりたいものだ。2014/05/18

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