パークチルドレン

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  • サイズ B6判/ページ数 239p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784093861915
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

内容説明

ひとりぼっちだった15歳の水香は、閉鎖された遊園地で仲間に出会い、初めての恋をした。そして突然、親友の千夏が事故死し、水香は千夏が妊娠していたことを知る。お腹の赤ちゃんを代わりに産んでほしい…!?水香は、千夏の最後の願いを叶える約束をするが―。大切な人を守るために、何ができるだろう?全編に「愛しさ」が満ちあふれる、期待の新人によるみずみずしい感動作。第八回小学館文庫小説賞受賞作。

著者等紹介

石野文香[イシノフミカ]
1978年岩手県出身。県立伊保内高校卒業。2007年、「パークチルドレン」で第八回小学館文庫小説賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ちはや@灯れ松明の火

34
この世に生まれて生きていく、それだけでも苦しくて。フェンスの向こうの忘れられた楽園へと居場所を求めて集う子供たち。誰かを亡くした空虚も誰かに必要とされたい渇望も、ぼろぼろに荒れ果てた月の裏側に隠した。いつかは崩れてしまう楽園を照らす光を消したくなくて。影だけを切り離すことはできないと分かっていても。涙雨の暗がりに灯った、途切れたはずの小さな生命の輝きを浴び、外の世界と向き合う勇気と、押し殺した痛みを受け入れる強さとが芽吹きだす。この世界へと生まれてきて、これからも生き続けていく、そんな幸せが嬉しくて。 2011/05/21

Mumiu

28
居場所がなくなったと感じている子のたまり場になっている元テーマパーク、プレアデス・パーク。元パークといえば、エキスポランドやフェスゲなんかもそうだね。ちょっと大がかりな秘密基地ごっこってとこだけど、そこしか居場所がないっていうのは哀しい話。たぶん現実にはあちらこちらにキョージュたちやプレアデス・パークがあってほしい子どもたちがいるんだろうな。主人公の水香にとっては「なつやすみ」のキラキラしていたような1シーズンもののお話。後半、エンディングの予感を連呼しすぎなのと、ファンタジー部分がちょっと今一つでした。2013/08/17

coco夏ko10角

23
石野晶さんの作品をいくつか読んで良かったのでデビュー作のこちらを。名前で手にして内容を全く知らなかったので、3章からの展開にびっくり。途中何度か「えっ」みたいになった箇所はあったけど、ラストの場面と読後感がとても良かった。2014/12/10

nyanco

13
「月のさなぎ」の石野 晶さんのデビュー作。閉鎖された遊園地で遊ぶ子供たち…閉ざされた環境下でのピュアな子供達を描くのが、やはりとてもお上手。水香が遊園地に潜り込むファーストシーンはドキドキ感もあり、物語の導入が見事。こちら側から見えない「月の裏側」には触れないことがパークチルドレンの決まり事。水香やパークチルドレン達に共通する居場所の無さを「月の裏側」という言葉で結ぶのには脱帽です。これがあって「月のさなぎ」へと進化されたのですね。丁寧に大切に育って欲しい作家さんです。続→2010/12/11

ようこ

12
“月の裏側”を持った子どもたちの壁に書かれたメッセージ。自分への宣言、戒め、誓いがそこには込められていた。一生陽の当たることのない闇の存在を抱えて生きるのはさぞ苦しいだろう。せめてプレアデスパークのような人が見つかりますようにと願う。2013/04/08

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