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もしも私が、そこにいるならば

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  • サイズ B6判/ページ数 236p/高さ 14X20cm
  • 商品コード 9784093861250
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

自分の一生は、あの一週間のためにあったのかもしれない??。そんな一生のような“一瞬のきらめき”を透徹した目線で、切なく静かに描きとった中篇集。著者いわく「『世界の中心で、愛をさけぶ』の原型がここにある」。

 「もしわたしが口を噤んでしまえば、わたしたちのあいだには何もなかったことになる。でもそれは確かに起こった。あの年の夏、わたしたちのあいだに起こったことを、きみにも知っておいてもらいたいんだ。」 余命いくばくもないママの病室に突如あらわれた見慣れない中年男性。彼は、ためらいながらも、やがてママとのことを話しはじめた。30年かけて、その夏はようやく終わりを迎えようとしていた?。〈実現しなかった思いほど、美しいものはない〉。『世界の中心で、愛をさけぶ』で奏でられたそんな切ないまでの思いが、作者の内的音楽が、耳を澄ませばここでも聴こえてくる。

内容説明

一瞬のような一生。一生のような一瞬。『世界の中心で、愛をさけぶ』につながる3つの愛の物語。

著者等紹介

片山恭一[カタヤマキョウイチ]
1959年愛媛県生まれ。福岡県在住。九州大学卒業後、1986年『気配』で『文学界』新人賞を受賞しデビュー
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

秋製 

34
3編からなる短編集。どの話にも「死」という要素が織り込まれていた。死んだ母親の知らない一面を垣間見た娘の話。高確率で死に至る病気を抱え生きていた男と生きていく男の話。出産時に起きた異常事態が原因でどの程度、どのような障害が起こるのかまるで解らない不安な状態で生活する家族の話。2013/04/27

kaoriction@感想は気まぐれに

17
片山恭一といえば『世界の中心で、愛をさけぶ』。これはそれにつながる作品。生と死と愛。3つの短編集。テーマは重いが、文章、雰囲気がそうさせない世界観。非日常なのに日常的な。すぐそこにあるようでいて、ない、なさそうでありそうな、物語。真実は、人はいつかは死んでゆくということ。死んでゆく者と遺される者と、死んでゆくことと生きてゆくことと。一生のような“一瞬のきらめき”。その一瞬を生きてしまったがための残りの人生。賛否ある作品だが、この短編集だからこそ、の物語たちではないかな。落としどころなんてないのも人生だよ。2017/05/28

ななかまどすえ

6
ダイビング中に事故で亡くなった母の過去を紐解こうとする娘の話。命に係わる深刻な病気を抱えてきた男たちの生と死にまつわる話。出産時のトラブルで子供の障害を思い悩む父親の話。2013/05/16

febyury

4
愛、生、死を描いた3つの作品。人の風景と心情は抑制が利きつて印象的に描かれる。ラストシーンがとても美しく、文学を読む喜びを得られた。2017/04/30

なおやん

3
「世界の中心で愛をさけぶ」の関連作品だということで読んでみた。3つの短編集。死や障がいなどをテーマにしていて重かった。やっぱり「世界の〜」の方が好みかな。2016/05/07

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