出版社内容情報
それでも、私を待っていてくれますか? 私を受け入れてくれますか???地方の大学に通う鯉沼、心に闇を抱える恋人・香澄、不思議な友人・タケル。3人はやがて何かに突き動かされるように旅にでかける??。
漫然とした日々を過ごす主人公の地方学生・鯉沼は、ある日、大学内のイベントで、以前から気になっていた香澄と急速に仲を深める。周りの人間に祝福のエールを送りたくなるような、突如訪れた満ち足りた日々。 しかし、そんな時間は長くは続かなかった。香澄は、鯉沼が傾斜すればするほど、影のように、背景に遠のいていってしまう。そして鯉沼は、次第に、香澄が内面に抱えている闇に気づき始める。それでも、どうすることもできない。なにかから逃れるように、妙な友人・タケルの愛車、フォルクスワーゲン・ビートルに乗って3人で当てのない旅に出るが、ついに旅先で香澄は命を絶とうとする。月日が流れ、完全療養が必要になっていた香澄から長い長い手紙が届いた。
内容説明
深く、静かに読む人の心に届いた『世界の中心で、愛をさけぶ』の著者が贈る最新恋愛小説。
著者等紹介
片山恭一[カタヤマキョウイチ]
1959年愛媛県生まれ。福岡県在住。九州大学卒業後、1986年『気配』で『文学界』新人賞を受賞しデビュー
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
RyuRyu3
6
モビイ・ディック。白鯨 主人公、香澄、タケルの3人の物語。 人を愛するということ、生きるということ、夢を見るということはいかにして難しいものか。 少し難しく考え込んでしまう登場人物たちは詩的考えを持っている。どこかしらに村上春樹を思わせてきたら、 どこかでこれは恋愛小説ではなく、自己心理描写をうまく書ける哲学本なのではないかと思ってしまう。 恋愛という純愛より、不貞愛という恋心にちかい。しかもその恋心はひねくれている。 2022/04/12
馨
6
セカチューの次の作品?だったと記憶しています。表紙の感じも似ていますよね。この表紙もセカチューの表紙も味があって好きです。内容もなんとなくセカチューの風味でした。読み終わった後にどんよりとまではいかないけれど何だかやるせなくなってしまう感じです。
nobico
4
世界の中心よりはるかに良かったwこの人、村上春樹好きだろ!と思わずにいられない。かと言って、他の作品を読みたくはならなかった。読後感は悪くない。 読んでる途中から無性に「ノルウェイの森」が読みたくなってくる。世界観がモロに村上春樹。 書きたいことを全て詰め込んだ感じだ。なんか、小説を書き始めた、むしろ一作目な感じ。 これ「世界・・・」より前の作品なのかなぁ?2012/02/06
ロイヤルミルクティ
3
★★☆☆☆2003/08/13
つねちゃん
3
片山恭一さんはせかちゅーしか読んだことなかったんだけど、この本も読んでみました!なんか、難解…主人公やかすみの気持ちが全く理解できなかった…。しかし、タケルの言葉や存在は魅力的だった!2012/12/11