出版社内容情報
今秋公開の映画化作品『世界の終わりという名の雑貨店』の続編。「君」を喪った「僕」は東京に移り住む。そして「君」と同じく心を病む「彼女」と出会う。彼女との関わりは僕を憔悴させ、破滅的な二人の道行きが始まる…。
「淋しかった。一人で。貴方が眼の前に現れるまで。 淋しかった。一人で。ひたすらに孤独だった。??貴方という人が、きっとこの世界にいることを信じていたから、私は今迄我慢できたんです」 デビュー作『ミシン』収録の感動の名作『世界の終わりという名の雑貨店』が今秋映画公開されます。それに先立ち、待望の続編が遂に登場します。 本作を書き上げた日、著者はエネルギーを使い果たしたと担当者に語りました。一読し、心臓を鷲掴みして揺さぶられたようなショックを受けました。まさに渾身作です。ぜひご一読下さい。
内容説明
淋しかった。一人で。貴方が眼の前に現れるまで。淋しかった、一人で。ひたすらに孤独だった。
著者等紹介
嶽本野ばら[タケモトノバラ]
京都府宇治市生まれ。1992年から97年まで、関西のフリーペーパー『花形文化通信』にエッセイを連載。2000年、小説集『ミシン』(小社刊)で作家デビュー
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
青蓮
95
どうやら前作の方が評判は良かったようですが、私は未読なのでこれはこれで楽しめました。大切な人を喪失した「僕」が教会で出会った破滅的な少女との閉じられた濃密な時間。それは傍から見たらとても奇妙な関係かもしれないし、二人にとっても恋愛関係ではないのかもしれない。血よりずっと濃く、深く互いを繋ぐ「ツインズ」と言う絆は呪いのように二人を縛る。たとえ祝福された未来がなくても。「人生は何時終わるか解らない、だから大事なことは決して先送りにしてはいけない。どんなに今抱えているものが沢山あっても、ないがしろにしてはならな2016/06/06
ゆきちゃむ
11
【図書館】前作とは全くの別物。あんまり好きじゃないなぁ。20150323-322015/03/23
如月
7
世界の終わりという名の雑貨店がすごく好きで、本屋や中古を探しまくってやっと手に取れました。前作より激しく、そして病んでいました。途中で本当に救いようがなくなったように思え、読むのが辛くなる程でしたが、それでも一気に読めたのは野ばらさんの魅力でしょうか。終わり方が「嗚呼、それでもそっちを選ぶのか」という感じで、その後のことは想像したくないですが、それでも二人は破滅に向かいながらも幸せなのではないでしょうか2013/05/07
あおさわ
7
うーん。前作は好きだったのですが…今回はちょっと途中からかなり気持ち悪くなってきました。編集者頑張れって思ったのに…;;「彼女」との破壊されていく暮らしを選んだ主人公は、あわない読者も含めまわりがどう思おうと幸せなんでしょうね。ならそれでいいんじゃないかな。主人公たちのその後は、想像したく…ないです。2011/11/21
理華
5
病みすぎて怖いけど流石かなって思った。主人公の方って馬鹿なんだな。そこがいいとこなのかもしれないけど…うーん。でも編集さんと寝ちゃうとこは展開が早すぎた気がする。でも終わり方は個人的に好きでした。2014/07/01