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始祖鳥記

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  • サイズ B6判/ページ数 397p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784093860451
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

大飢饉に始まり災いが続いた暗黒の江戸・天明期、大空を飛ぶことにおのれのすべてを賭けた男がいた。その〃鳥人〃備前屋幸吉の生きざまに人々は奮い立ち、腐りきった公儀幕府の悪政に敢然と立ち向かった。伝説の作家が心血を注いだ感動の歴史巨編。

 江戸後期に、世界で最初に空を飛んだと伝えられる一人の表具師がいた。備前岡山に生まれ、駿府で生涯を終えたと言われる〃鳥人備前屋幸吉〃である。 七歳で父親と死別。生家を兄が継いだ後、表具師を営む母の生家に引き取られて修行を重ね、やがて幸吉は表具師として最高の腕を認められ「銀払い」の地位と財を築く。しかし〃鳥のように空を飛んでみたい〃という少年期の思いは止みがたく、ある日幸吉は憑かれたように羽作りに没頭しはじめる……。ただ自らを生きるために空を飛び、飛ぶことで人々に希望を与え続けた幸吉の人生を、綿密な考証をもとに鮮烈に描く希代の歴史大作。前作で大衆文学の到達点とされる文学賞候補を意あって辞退した、まさに「知る人ぞ知る」著者、飯嶋和一氏の感動の書き下ろし長編である。

内容説明

ひたむきにおのれを生きた世界最初の“鳥人”備前屋幸吉!空前の凶作、貧困で、人心が絶望に打ちひしがれた暗黒の天明期、大空を飛ぶことにおのれのすべてを賭けた男がいた。その“鳥人”幸吉の生きざまに人々は奮い立ち、腐りきった公儀幕府の悪政に敢然と立ち向かった。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ゆりあす62

60
図書館本。★★★★★ でた!ぶさ(糞侍)、仕事も出来ないくせになにかあれば保身に走り、自分の私腹を肥やす二本差しの侍の事。飯島氏の作品にときどき出てくる。この言葉が出て来ると飯島氏は怒っている。飢饉の時農民は餓死したが市場には米があり、武士は餓死しなかったという。これは幕府や藩の、悪政の為で気候だけではなく人災でもあったという。そんな中、自分のやりたいことを何としてもやり抜く幸吉の姿は、閉塞し窒息しそうな時代の空気を打ち破り、周りの人々に知らない間に希望を与えるイカロスだ。昔の歌ように「空が~恋しい~♪」2016/10/27

ころりんぱ

45
相次ぐ一揆や打ち壊し、天明の大飢饉などで庶民が幕府への不満を募らせていた頃、自作の凧につかまって橋の欄干から飛び降り人々を驚かせた、「鳥人幸吉」と呼ばれる実在した人物を主人公すえたお話。幸吉がどうやって空を飛んだのか?という話とばかり思っていたら、もっとふくらみのある、江戸時代の人々の話でした。海の人、空の人、陸の人、それぞれの生活ぶりや特徴を垣間見れて興味深かったです。特に船乗りの話は面白かった。人との出会いと別れを繰り返しながら、己の心と向き合っている男の人生が生き生きと描かれていました。2015/11/25

星落秋風五丈原

18
空前の災厄続きに、人心が絶望に打ちひしがれた暗黒の天明期、大空を飛ぶことに己のすべてを賭けた男がいた。その“鳥人"幸吉の生きざまに人々は奮い立ち、腐りきった公儀の悪政に敢然と立ち向かった2006/07/11

たいぱぱ

17
時代小説が好きな父の為に面白い本を探しているときに知った飯嶋さんの本作。日本のライト兄弟のような話を想像してましたが、ちょっと違った。自分で空を飛ぶことを実現しようとする男に、腐った幕府官僚に対抗しようとする男、海を駆け巡る回船船主。信念を持って進む生き方が眩しい。少し物語や文章が難しく感じることもありましたが、最後は心にジーンと来ました。どの時代にも本物の心をもった強い奴等がいる。自分の明日に勇気を貰った、そんな小説でした。2015/04/27

ndj.

14
空を飛ぶことが擾乱罪になろうとは、平和ボケしている頭では想像だにしなかったのだが地面に縛りつけられている民衆たちにとってはお上の押し付けてくる権力を愚弄する、自由の象徴であったのだろう。第二部、第三部とところ変われど熱き信念に貫かれた人々が続々と、始祖鳥幸吉に引き寄せられて自らの軛を振りほどいてゆく様が素晴らしい。2018/01/24

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