内容説明
日本中を震撼させた衝撃の自決から37年―初めて明かされる「兵士」三島由紀夫の素顔。兵士を目指した男は何を夢見、何に絶望したのか―圧倒的な取材から時代の寵児の魂に迫る、渾身のノンフィクション。
目次
第1章 忍(黙契;走る人;懸垂;水兵渡り;救出;美学)
第2章 剣(段級審査;手合わせ;服装点検;同期の二人;メダリスト)
第3章 絆(告白;継続監視;自立の宴;最後の会話;運命)
最終章 手紙
著者等紹介
杉山隆男[スギヤマタカオ]
1952年東京生まれ。一橋大学卒業後、読売新聞社を経て著作活動に入る。86年に『メディアの興亡』(文藝春秋刊)で大宅壮一ノンフィクション賞受賞。96年、3年間に及ぶ自衛隊取材をまとめた『兵士に聞け』(新潮社刊)で新潮学芸賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ベンアル
9
図書館本。三島由紀夫の自衛隊入隊から自決までについて、自衛隊関係者や楯の会のメンバーの証言を元に綴っている。ラスト数ページの読後感が良い。 「三島さんが期待したのは、「悠久の大義」だから、…嫌な気持ちになったときには、自分の心に「三島神社」をつくって、…自分の心がちょっと洗われると…自分の出世のことより、国のことを考えないかんと、それが三島さんの期待したものであり、三島さんに応える道かな、…」2024/09/21
犬養三千代
4
深く重い一冊。2015/08/01
ふ
2
◎2024/06/24
turutaka
2
著者にこのシリーズを書かせる原点ともなった三島由紀夫。彼と自衛隊はどんな関係で、どう変わっていったのかを描くのが、シリーズ外伝ともいうべき本書である。 だが私にはわからない。三島由紀夫という凡人からみたら才能の塊のような男の思考がどんな遍歴を辿り、あのような最後を遂げるに至ったのかが全くわからない。三島が天才すぎるのか。私がそれを読み取れないほどの知能なのか。三島由紀夫の鋭敏すぎる頭脳は何を感じとったのか。 わからない。でもそれで良いと思う。三島はそんな簡単にわかるほど単純じゃないのだろう。2021/08/24
寅次郎
2
最後は少し泣けました。当時の三島の性格が良く書かれています。2009/05/19