出版社内容情報
直木賞作家が活写する江戸深川泣き笑い人情物語。
時は寛政2(1790)年、舞台は花のお江戸・深川。新吉の生み出した柿鮨(こけらずし)の味が評判を呼び、三ツ木鮨は活気の満ちあふれていた──。鮨職人の技、ほのかな恋情、長屋の人々とのふれあいを情感豊かに綴った、心温まる時代小説。
内容説明
けさも、江戸・深川に鮨職人、新吉の研ぐ小気味いい米の音がする。鮨職人の技やほのかな恋情を情感豊かなタッチで綴った秀作の深川人情物語。
著者等紹介
山本一力[ヤマモトイチリキ]
1948年高知県高知市生まれ。東京都立世田谷工業高校電子科卒。14歳のとき上京し、高校卒業後、旅行代理店、広告制作会社、航空会社関連の商社勤務などを経験。1997年『蒼龍』でオール讀物新人賞を受賞し作家デビュー。2002年『あかね空』で第126回直木賞を受賞。新しい時代小説の書き手として脚光を浴びる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Aya Murakami
93
小説丸というサイトで紹介。 読メユーザーさんおすすめで図書館で借りてきました。 母と弟がいうには「すごく分厚い本」「なぜ読む気になった」とのこと。1週間くらいかけてやっと読み終わった。 幕府の買い出し部隊みたいな連中と衝突したり酒癖女癖悪いクズ男(いまでいうDV男でもある)と喧嘩になったり、登場人物メインの一人が溺れて行方不明になったり…。長い物語の中で事件がこれでもかと凝縮されています。 柿鮨…。調べてみたところ実在する鮨で、柿の葉鮨と柿鮨の2種類存在するそうな。2021/11/04
nyanco
57
江戸で鮨職人…となれば江戸前にぎりをイメージしてしまったが、まだこの頃は柿鮨(こけらずし)という押し寿司。技と心意気を忘れずに食べてくれるお客様への心遣いも忘れない新吉が徐々に商売が成功していく過程が面白かった。幼馴染の順平とのやり取りも楽しく、そして恋模様もなかなか見事。下町だけでなく旗本の用人・小西秋之助との関わりが生まれ、お互いが相手を思い、仕事がよりよくなっていく様が良い。人と物への思いや愛情が無ければ受け入れられ商売が繁盛することなど無いんだと…ということが良く伝わってきた。続→2010/10/24
roomy
26
登場人物も好みでページ数が気にならないくらい面白かったです。単行本なので読むのにはちょっと疲れました。人との繋がりは大切ですね。真面目に自分の道を信じて生きていくのが一番いい。ごちそうさまでした。ライブラリー本。2016/01/29
藤枝梅安
17
鮨職人の新吉、魚売りの順平は幼なじみで互いを兄弟のように思っている。順平の妹・おけいは新吉を兄のように慕っていた。その想いが愛情に変わっていたことを、おけいも新吉も気づかぬまま毎日が過ぎていく。旗本の用人・小西秋之助の助けを借りて店を構えた新吉は親方譲りの鮨に新しい嗜好を加え、店は繁盛し始める。山本さんのほかの作品同様、人と人との繋がりを中心に、職人たちの生き方を鮮やかに描いている。2010/04/05
kazu@十五夜読書会
9
本の分厚さに読むのを後回し、返却期限が過ぎてしまい急いで読み出したが、鮨職人の新吉の義理と人情。人と人との繋がり、恋模様もよく描かれて すいすい読めました。幼馴染で親友の順平の遭難には、びっくりしましたが。。。2012/10/20
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