逆説の日本史〈4〉中世鳴動編―ケガレ思想と差別の謎

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逆説の日本史〈4〉中世鳴動編―ケガレ思想と差別の謎

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  • サイズ B6判/ページ数 347p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784093794152
  • NDC分類 210.04
  • Cコード C0095

出版社内容情報



井沢 元彦[イザワ モトヒコ]
著・文・その他

内容説明

「ニッポンの差別」を生み出した元凶を暴く。遂に古代編完結。いよいよ中世編に突入。

目次

第1章 『古今和歌集』と六歌仙編―“怨霊化”を危険視された政争の敗者
第2章 良房と天皇家編―平安中期の政治をめぐる血の抗争
第3章 『源氏物語』と菅原道真編―ライバル一族を主人公にした謎
第4章 「反逆者」平将門編―初めて武士政権の論理を示した男
第5章 院政と崇徳上皇編―法的根拠なき政治システムの功罪
第6章 武士はなぜ生まれたのか編―「差別」を生み出したケガレ忌避信仰
第7章 平清盛と平氏政権編―「平家滅亡」に見る日本民族の弱点

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ひろき@巨人の肩

99
現代日本人の思想にも大きく影響を及ぼす藤原摂関政治の興亡。良房〜道長の隆盛期には、言霊信仰が歪曲された怨霊鎮魂の手段として発展し、政敵の鎮魂のため古今和歌集や源氏物語など平安文学が隆盛する。一方で公家は安全保障や治安維持を「ケガレ仕事」として忌穢して検非違使に任せたことが武家政権の礎となる。また藤原氏との血統の争いに抗する天皇家は、後の有力武士となる平氏、源氏の賜姓皇族を量産。摂関政治に対して院政を敷くが、白河法皇の不倫により徳を失い権力が失墜。保元の乱にて敗戦した叔父子の崇徳上皇が憤死して大魔王となる。2022/08/12

背古巣

52
日本三大怨霊の菅原道真、平将門は知っていましたが、崇徳上皇という皇族が怨霊になっているとは知りませんでした。あの時代の天皇家ってものすごくドロドロしていたんですね。また平の将門についてはその名前は知っていましたが、平の将門の乱がどういうものだったのかはさっぱりだったので、今回勉強になりました。さて、この第四巻は"武士"がどのように興ってきたのかを「ケガレ」という観点から説明しています。次巻にも続くようですが、一旦凋落した源氏がどうやって盛り返してきたか興味がわきます。2020/08/20

BluePlanet

14
★4.6 1996年6月10日発行。今まで平安時代とは一番面白くなく分かり難い時代だと思っていたが、この本を読んで目から鱗。源氏物語はやっとストーリーがわかったが、成功物語の部分が先にできて、失敗話の部分が後から織り込まれたと考えると納得。そして、この時代を読み解く鍵である、「怨霊」「コトダマ」「ケガレ」と言った日本人の民俗信仰を理解すると、歴史の展開が良く分かるということが改めて良く分かりました。それにしても平安時代藤原氏による摂関政治、その後の院政とは、何たる独裁政権だったのか。今の中国と一緒ですね。2016/02/28

GASHOW

9
平安時代が、平和で自衛隊を認めない現代のおおもととなっているという。軍隊や警察など争いを想起するぶっそうなものはもちたくない。国の繁栄よりも自分たちの利益を優先する官。おなじ日本人なんだなあと。欧米人をキリスト教を用いて理解するように、日本も怨念やけがれ思想を用いると明らかにになる。井沢さんの本を読むまでは気が付くことがありませんでしたので人生で出会った価値のある作家だと思います。2017/10/30

ムカルナス

9
雅な王朝文化が花開いた時代という平安時代のイメージが変わった。貴族達は怨霊を恐れて死刑を廃止し血のケガレを嫌うあまり一切の武力行使はしなくなり自分達の政権抗争にさえ源氏・平氏の武士集団を利用した。禁裏の外の世界の疫病・飢饉・武力闘争は見ようとはせずに花鳥風月を愛でる。現代の日本の一部の人々にも受け継がれてる「お花畑」体質にも思える。それを打破したのが平氏であるが統治機構の再構築というグランドデザインがなかったため滅びる。場当たり的でグランドデザインがないのも日本人の弱点だと思う。2015/10/16

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