出版社内容情報
井沢 元彦[イザワ モトヒコ]
著・文・その他
内容説明
「倭」から「和」への転換、これは一体どうして行なわれたのだろうか。つまり「ワ」とは「輪」であり「環」なのだ。倭とは実は「環」であり、古代日本人は、集落のことを「環」と呼んでいた。「わ」の精神と怨霊信仰で読み解く古代史最大の謎。
目次
序論 日本の歴史学の三大欠陥
第1章 古代日本列島人編―日本はどうして「倭」と呼ばれたのか
第2章 大国主命編―「わ」の精神で解く出雲神話の“真実”
第3章 卑弥呼編―女王殺害と紀元二四八年の重大事件
第4章 神功皇后編―邪馬台国東遷説を裏付ける宇佐神宮の拝礼作法
第5章 天皇陵と朝鮮半島編―日本人のルーツと天皇家の起源
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mitei
144
著者の主張にはやや推論が含まれている箇所もあるが、当時は書く必要のない内容で略していたのはあるかもしれないなと思った。2015/01/25
James Hayashi
37
なんとも説得感のある歴史解釈。古代黎明期(倭の由来、卑弥呼、天皇と朝鮮など)と資料も少なく教科書もさらりと流す事項であまり食指が動く話題でなかったが、きれいに釈然と理論的に解明されていく論法に引き込まれた。歴史学だけからは読み取れない推論を変幻自在に解明していくが、机上の学者には受け入れられないだろう。しかし読者としては面白い。こういった歴史観でもエキスパートだけでなくジェネラリストは必要だと強く感じる。2017/05/21
アポトキシン
19
序論から第三章まで読了。まず、私自身が日本神話のことを知らなすぎて、目から鱗の情報が多かった。天照大神については太陽の神で、よく農家の床の間に掛かっている掛け軸でお目にかかる名前ということくらいの知識で、女性の神様であることとか、アマテラスの前にオオクニヌシという支配者がいたことは全く知らなかった。また、出雲大社にはアマテラスに敗れたオオクニヌシが祀られていることも勉強になった。この本は、私のように日本神話について全く知らない人にはもってこいの本だと思った。2021/11/29
山下哲実
15
図書館本にて読了! 全て理解したわけでは無いが 部分的には興味深い所もあり 面白かった。こんな考え方も出来るのかと 思うとワクワクするのも確かだ。 早速、次巻も借りてみたいと思っている。2022/10/13
ランラン
12
再読。なぜ古代日本では太陽神を最高神として崇拝したのか?また最高神が卑弥呼という女性だったのか?なぜ卑弥呼は殺されたのか?など様々な疑問を明快に解き明かしてくれました。日本史は怨霊思想、御霊信仰の側面から考えることが必要であるということを学びました。2016/01/02