百年目の帰郷

百年目の帰郷

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  • サイズ B6判/ページ数 266p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784093792189
  • NDC分類 783.7
  • Cコード C0095

出版社内容情報

国民的ヒーロー・王貞治のルーツを探り、父・仕福の生まれた中国大陸を訪れた筆者が、その地に発見した「封印された秘密」とは!? 祖国とは何か、国籍とは何か、そして血縁とは何かを問う大河ノンフィクションの傑作。

内容説明

私のなかで一瞬にして時計のカウンターが猛烈な勢いで逆回転を始め、1998年から1978年へ、そして仕福がこの世に生を受けた1901年へと、百年の時を遡っていった。海を越え、山々の連なりを越えたその空間の広がりの中で、仕福の魂が闇夜の蛍のようにくっきりと光を放ち、ここが物語の始まりなのだと告げていた。そう、仕福の魂に導かれた旅の終着点において百年前、王の物語はその第一話が紡ぎ出され、そして未来永劫、語り継がれるのだ。父が密かに残した「決して伝わらないはずの遺言」がそこにあった。21世紀国際ノンフィクション大賞受賞作。

目次

序章 予感
第1章 頂点と終焉
第2章 ルーツから
第3章 葛藤と覚醒
第4章 棒球明星
第5章 祖国
第6章 帰化
第7章 帰郷
第8章 不幸
第9章 幻の村
第10章 ルーツへ
終章 封印切り

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Akihiro Nishio

20
台湾繋がりで入手。王貞治とその父仕福の物語。王さんが台湾出身だとは知っていたが、本省人で今は日本国籍だと思っていた。実際は全く違って、父は浙江省出身、母は日本人。王自身は日本人として生まれ、戦後中国籍へと変更。その後、国共内戦となり、王が最初にパスポートをとった時に国交のあった台湾籍となり、現在に至る。王がスターになるに従い、台湾側と大陸側の華僑の勢力争いに、父子ともども巻き込まれていかざるを得ない。その中で家族にさえ全く打ち明けず故郷との繋がっていた仕福の姿が涙を誘う。下手な歴史本より台湾の歴史がわかる2016/11/08

ようはん

18
王さんが台湾国籍である事は知っていて台湾でも英雄である事は知ってはいたが父親も王さんも台湾生まれでなく、なんの縁も元々は無かった事に違和感あったがこの本を読んで理解出来たというか中国と台湾の国際関係で色々と複雑な立場にいたのは今まで知らなかった。2021/05/22

松本直哉

12
あのとき国民栄誉賞を拒否してくれたらよかったのに、と同い年で同じ在日外国人の張本勲から言われる。本心は王貞治もそうしたかっただろう。中国国籍という理由で国体への参加を認められないなどの外国人差別を受けた国からどうしてもらえようか。だが王は本心とは別に国との関わりにおいて自分はどうあるべきかを考えざるを得ない立場にあった。それは貞治の父王仕福が貧窮のどん底の中国から日本に来て、自分の故郷や出自のことを封印してなんとか日本社会に融和していった軌跡と重なる。寡黙な仕福が密かに抱き続けた望郷の念が丁寧に描かれる。2016/09/17

あまみっく

1
「日本人か台湾人か」 現役選手がそのホームラン記録に迫るたび、数字だけでなく、「国籍」が話題になる。 輝かしい野球人生の陰で、戦後の東アジアの歴史を背負ってきた王貞治氏の苦悩と葛藤に初めて触れた。彼の父・王仕福氏は大陸出身で、父子ともに現在「台湾」と呼ばれるその土地とは元々縁もゆかりもなかったとは。貞治氏自身、生まれも育ちも日本で「自分は日本人」と思っているそうだ。それでも彼の国籍は「中華民国」のままだ。(続く2024/01/13

yyrn

1
野球界のスーパースター”世界の王貞治”の父が辿った戦争と中国に翻弄された華僑人としての重い人生が綴られている。貧しい村で生まれ、父は自殺、母には捨てられ、身ひとつで日本にやってきて本人は字も書けなかったが長男は医者に、末っ子はホームラン王に育て上げた。そんな数奇な人生を作者が調べなければ息子の王貞治さえ知らなかったという事実に驚く。2013/06/05

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