出版社内容情報
人間は身近な自然をうまく活用することで、暮らしを快適にしてきた。天然素材で作られた生活道具は、自然と人間がかかわる歴史の、そして現在の、よき証言者。全30品から日本の自然の過去と現在が浮かび上がる。
自然の豊かさを利用し、生活の豊かさを生みだすこと??これが文明の定義ならば、自然のありさまが違えば文明のかたちも当然違ってくるはずです。 たとえば日本の畳文化。列島の自然のなかに、たまたまイグサという個性派植物を見出した日本人は、これを畳という敷物として生活に取り込みました。畳をめぐるさまざまな諺や、畳の上のゴロ寝といった豊かな生活文化は、列島の自然を前提にして初めて成立したものといえます。 このような自然と文明のダイナミズムは、近代日本の急速な西洋化とともに失われていきました。優れた家電製品や化学合成品のおかげで、われわれの生活はたしかに便利になりましたが、便利さと豊かさは果たして同じものでしょうか? 自然の産物である天然素材の特徴をうまく生かした生活道具は、便利さとは無関係な「豊かさ」の価値を再認識させてくれます。 本書は月刊『BE-PAL』93年1月から95年3月まで連載された『ニッポン天然素材考現学』全26回、月刊『ラピタ』(当時は季刊)95年春号掲載の『マテリアル』に加筆、さらに3本の書き下ろしを加え、ショトル・ライブラリーとして編集したものです。
内容説明
「生活」の中に、見つけた「自然」。日本の自然から生まれ、日本人が育てた生活道具30点の自叙伝。
目次
椿油
キャンドル
紙幣
エンピツ
バット
ボタン
ヨードチンキ
肥料
ワサビおろし
マット
フノリ
友禅
金魚
蚊取り線香
垢すり
下駄〔ほか〕
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