出版社内容情報
玄奘の話をもとに『西域記』の編集をまかされた僧・弁機は、なぜ処刑されたのか? 『西遊記』の源泉となった17年間に及ぶ青年僧・玄奘の大旅行。その実像と秘められた謎に迫る。
六二七年、日本では大化の改新の少し前、玄奘は長安から、以後一七年におよぶ壮大な旅に出発した。 シルクロード、敦煌からタクラマカン砂漠、天山山脈を越えて、現在のアフガニスタンまで。さらにチベット、パキスタンからインドを経めぐって、各地の王や僧侶とともに学び、おびただしい経典や仏像を持ち帰った。ただちに訳業にかからなければならない。しかし、時の皇帝・太宗は、玄奘に別なことを命じた。「西域の事情」を報告せよ。 そのレポートが本書である。教典を訳する本来の仕事は、以降、弟子たちの手にもよって延々一九年間におよぶ大事業となる。 しかし謎の事件が起きる。編さんの途中で、編集係であった弁機は、首をかしげたくなるような嫌疑によって、腰から上をまっぷたつに斬られる刑を受ける。 のちの「西遊記」によって、玄奘は極度に困難な旅をしたと印象されるようになったが、現実には時の政治勢力をたくみに利用した。訳業のチームを組んだ時も同様であった。そうしたことが弁機の事件になったのか、いわくと謎もまた多いのがこの「西域記」である。 しかしながら、七世紀半ばのインド・中央アジアのようすは、この本によって知ることが出来、持ち帰った教典はその後、は
内容説明
仏法の真理を求め、国禁を犯して西域へ。『西遊記』のもとになった、玄奘の見聞録。謎に満ちた大旅行に迫る。
目次
はじめに 『西域記』はアジア七世紀前半の地理書
第1章 『西域記』はなぜつくられたか
第2章 玄奘はどんな旅をしたか
第3章 『西域記』にはどんなことが書いてあるか
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