出版社内容情報
●あらすじ●ファンの間で高い評価の『モジャ公』! 藤子・F・不二雄先生のかくれた名作が文庫になっての登場だ!! ひょんなことから、遠い星からやってきた変な生物モジャラとゆかいなロボットのドンモに連れられて、空夫は宇宙冒険旅行に出発する。出たとこまかせで目的地を決めていく今回の旅行。おんぼろロボットで最初にたどりついたのが、メルル星。宇宙旅行が初めての空夫は、カルチャーショックを受けるが、地球人のもつ特殊な才能(!?)のおかげで自信を取りもどす。そのほか、スッチャカメッチャカの三人がくりひろげる珍騒動の満載の、ちょっと皮肉のきいた長編ギャグSFの傑作!! ▼第1話/宇宙へ家出▼第2話/地球人はこわいよ▼第3話/うまそうな三人▼第4話/さよなら411ボル▼第5話/恐竜の星▼第6話/アステロイド・ラリー▼第7話/ナイナイ星の仇討ち▼解説/川本三郎
藤子・F・ 不二雄[フジコ エフ フジオ]
著・文・その他
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
やすらぎ🍀
111
人間とは平坦な道のりに飽きてしまうのか。現状に感謝できないのか。欲のない生き物はいないが、行き過ぎた贅沢や望みの先にあるもの、自身を省みると見えてくるもの、暗黒の世界。…進む道が険しくても、躓いた石には意味がある。他者の目がないとき、人は正しく振る舞えるのだろうか。その正しさとは何だろうか。…本書は訴える。必要以上のお金なんて紙屑。全速力で星に突っ込む。伝染病の星を爆破する。外から見れば美しい地球。…今から50年前の作品とは思えない。あまりに機械を頼りにすると、人間の思考が失してしまうことも示唆している。2021/12/18
大泉宗一郎
7
『21エモン』の続編を! という意気込みで、F先生が書かれたのがこの『モジャ公』なのだそうですが、『21エモン』のほほんと恍けた作風とは打って変って、肉食種族に追い回されたり、殺人ウィルスに直面したり、血しぶきがあがったり、と、穏やかでない内容のものが多く、ブラックユーモアに満ちています。本書に収録されている『アステロイド・ラリー』の内容は、そのまま『21エモン』の「裸足のプリンセス」という映画にスライドしていて、そういった点で、知名度は『21エモン』に食いつぶされている感じもありますが、それでも面白い。2014/04/07
misonikomi
3
予想外に名作だった。藤子F不二雄作品の中でもベスト5に入るんじゃないかと思った。大人向け。2010/09/27
ぺん太(`・Θ・´)
2
わりとすっと読めた。アンサイクロペディアで書かれてるほどブラックではなかった。SFらしく、地球を相対的にみて、まったく価値観の違う世界のぼうけを描いているのが面白かった。2013/05/20
しく
2
黒すぎる。藤子さんが描く大人向けSF短編の内容を子供向きに仕立て直したと言った感じか。