小学館文庫<br> カムイ伝 〈3〉 玉手騒動の巻

小学館文庫
カムイ伝 〈3〉 玉手騒動の巻

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 文庫判/ページ数 377p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784091920331
  • NDC分類 726.1
  • Cコード C0179

出版社内容情報

徳川幕府による厳しい身分制度下、権力の重圧にあえぐ者たち。多彩な人物群と雄大な構想、透徹した歴史観で綴る白土劇画の代表作であるばかりでなく、日本コミック史上に燦然と輝く名作。

▼第1章・片目▼第2章・のろし▼第3章・玉手騒動▼第4章・ボテフリ●主な登場人物/カムイ(処刑されたカムイの双子の兄)、正助(才覚溢れる貧しい農民の子)●あらすじ/厳しい身分差別に反発したことで処刑されたカムイ。しかし、彼には、同名の双子の兄がいた。兄のカムイも殺された弟と同じように、自由と誇りを得るためには自分が強くならなければならないと考えていた。ひたすら剣の腕を磨いていたある日、カムイは、剣客・露木鉄山に命を助けられ、その教えを受けることになる。この鉄山のもとには日置藩を脱藩した笹一角が身を寄せていた。ある日、笹一角は、自分が脱藩する原因となった浪人・水無月右近に出会う。そして、この宿敵から衝撃的なことを聞かされる。それは、“目付けの橘軍太夫の策謀によって、次席家老の草加勘兵衛一門と弟の笹兵庫が非業の死を遂げ”、“生き延びた草加勘兵衛のひとり息子・竜之進が復讐の機会をうかがっている”という驚くべき事実だった。江戸時代、農民が読み書きを習うのは重罪であったが、花巻村の正助は秘かにこれを習い、さまざまな知識を身に付けていった。ある日、大雨で堤防が決壊寸前となるが、正助の機転で村は救われる。これ以降、庄屋も正

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

猫丸

13
第三巻にカムイはほとんど登場しない。主役は下人の正助だ。ひそかに続けた学問は抵抗の武器となった。文字が読めるようになれば帳簿から庄屋の不正を知ることもできる。千歯扱きや滑車など、道具の工夫は労役を軽減する。こうして正助は下人でありながら百姓の若者のリーダー格となっていく。知識は身分制の無意味さをも照らし出すのだ。つまり既得権を護持しようとする力は、必然的に反知性主義たらざるを得ない。この状態で世襲が数世代続くと、支配層の知的能力が国民の平均値を下回る所まで行く。2022/01/05

入江

9
百姓と非人そして武士、三者の関係が一揆という形で鮮明になります。支配者は差別を政策として利用していた、というのです。身分の垣根を越えようとするカムイたち。苔丸のキャラクターもまた物凄い。ですが、身分制度がなくなった現代でも貧困は深刻になっている現実を考えると、そこだけが問題だったのだろうかという疑問も感じました。2017/04/06

かふ

5
自然界では白狼と片目狼の共棲の章。大山椒魚は牛肉味だったとは。カムイと共にもう一人の主人公である下人の正助の活躍。それまで文字を読めなかった村の農民でただ一人文字を読めた政助の機知により様々なアイデアを取り入れた。最初のセンバコギ(後家さんの仕事を奪ったことから後家殺し)やら発明するが....、農民の生活の章。そのうちに正助は洞窟内で寺子屋を開いていく。2017/02/16

ひねもすのたり

5
それでも信念を貫こうとする苔丸に魂を揺さぶられました。2012/09/27

koyasho

3
『カムイ伝』はカムイ・正助・竜之進を中心に回っているが、それ以外の脇役もまた魅力的。第3巻で脚光を浴びる笹一角・水無月右近・苔丸らには、主人公たちにはない人間味と泥臭さがある。2012/11/10

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/536801
  • ご注意事項

最近チェックした商品