小学館文庫<br> 大江山花伝

電子版価格
¥649
  • 電書あり
  • ポイントキャンペーン

小学館文庫
大江山花伝

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 文庫判/ページ数 368p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784091911919
  • NDC分類 726.1
  • Cコード C0179

出版社内容情報

今は昔、大江山に酒呑童子という鬼がいた。都を荒らし、姫をさらい、悪事のかぎりを尽くしたそうな。さて、宮中より鬼退治を命じられたのは音に聞こえた勇将・渡辺綱。だが、勇躍して鬼の岩屋にのりこんだ綱が目にしたものは…。鬼と人との悲しい恋を描いた表題作ほか、愛する人を殺された鬼の復讐物語「花伝ツァ」、室町の世を美しく舞う若き世阿弥の永遠の恋「夢幻花伝」など、傑作長編「夢の碑」番外編となる全4作。

今は昔、大江山に鬼がいた。都を荒らし、姫をさらい、悪事のかぎりを尽くした。さて、宮中より鬼退治を命じられた勇将・渡辺綱。勇躍して岩屋にのり込み目にしたものは…。鬼と人との悲しい恋を描く表題他全4編。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

優希

70
美しくも切ない悲恋に胸が苦しくなりました。酒呑童子の家来である茨木童子を主人公にした「大江山花伝』『鬼の泉』、雨月物語から題をとった『花伝ツァ』、観阿弥・世阿弥の物語『夢幻花伝』の4編が収録されています。どの話にも後に残るような悲しさがありました。丁寧に、繊細に心情を描いていると思えば、突き放すことで客観的になることで、昔話や伝承にしてしまうのが絶妙な余韻を残します。手に入れることのできない美しさが寂寥感として感じられました。この感覚は何処となく懐かしさすらおぼえます。2015/07/29

そらねこ

27
久しぶりに再読。思春期に何度読み返したか分からないほど読んでその度涙したが、今回も涙(/_;) 素晴らしい名作。木原敏江の作品はどれも愛に満ち、悲恋に彩られ、ページを閉じて深い感慨に浸るものが多い。その余韻が凄い。こうした感慨に浸れるものが今のBLにどれくらいあるのかな…と思うにつけ、この作品を知らない人たちに是非読んでもらえたらな…と思う。悲しいけど、この美しい物語を読んで寂寥感と愛の切なさに浸って欲しい。愛を貫く姿は男女問わず美しいと思える作品。2017/08/12

呉藍

10
日本の魔的な部分っていうのは、恐ろしさの中に必ずと言っていいほど哀しさがありますよね。鬼っていう存在もつい同情したくなるような逸話が残ってたり(菅原道真公とか)、一口に悪い奴、と片づけてしまえないような。美しい鬼たちの哀しい想いに、気付くとだーっと泣かされます。人じゃなくなっても心を持ってるんですよね、うぅまた泣ける。2011/06/15

カキ@persicape

8
読書会で読友さんから紹介頂いて、その場にいた別の読友さんからお借りした縁が繋がって手元にきた本。平安・戦国を経た鬼にまつわる物語数話と能の世阿弥がモデルな恋愛もの。連載中は恐らく生まれていない。文庫の初版年でさえ小学生。生まれる前の漫画って世代にしたら絵に違和感があって変な感じするのだけど、心に訴えかけるものが多くいつしかのめり込む。短編だが、どの話もバッドエンドで哀しい。だけど無残とかじゃなくてどこか美しいラストだから余韻がジーンとくる。歴史との融合も話の深さやテンポもキャラ造形も粒ぞろい。傑作だった。2016/10/18

しまりんご

4
酒呑童子の家来である茨木童子を主人公にした『大江山花伝』『鬼の泉』、雨月物語の「菊花の約」をもとにした『花伝ツァ』、観阿弥・世阿弥が登場する『夢幻花伝』が入った一冊。木原先生の作品って、ほんとに物悲しいです…。後に引く哀しさ。主人公の心情をこれでもかというほど丁寧に細やかに描き込みながら、最終的には徹底的に突き放してしまうのです…。急に客観的になって、ただの昔話や伝説として終わらせてしまう。読み終わった後に残るのは、決して手に入れることができない美しいものに対する憧れにも似た気持ちと寂寥感です。2011/06/22

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/482977
  • ご注意事項