出版社内容情報
戦時下の日本で生まれた「敵討ち法」に基づき、敵討ち執行代理人となった叶ヒロシ。己を“弱者”と自覚することで、危険を察知する能力を身に付けた青年が、いま犯罪被害者に代わって“復讐”を果たす!!
▼第1話/就職▼第2話/採用▼第3話/出勤▼第4話/仕事(1)▼第5話/残業▼第6話/休日出勤●主な登場人物/叶ヒロシ(痴呆の母を養う若者。兵役から帰還後「敵討ち執行代理人事務所」に就職する)、ヒグチ(「敵討ち執行代理人事務所」に勤務する女。ヒロシをスカウトする)●あらすじ/厳しい不況のさなか、ヒロシは都内にある法律事務所の面接を受けることに。カフェでそのことを嬉しそうに女性に語るヒロシだったが、それは幻想であり、周囲からはただ独り言をしゃべる男としか映っていなかった。翌日事務所を訪れたヒロシは、彼の就職を推薦したヒグチという女性と出会う。その女は、幻想の彼女と瓜二つで…(第1話)。●本巻の特徴/現在、日本とその同盟国はキリスト教勢力と交戦状態にある。国内では「敵討ち法」が施行され、犯罪被害者による“復讐”を遺族に代わって執行する「敵討ち執行代理人制度」が設けられた。執行代理人事務所の女性従業員・ヒグチから才能を見出されたヒロシは、執行代理人としての人生をスタートさせる。●その他の登場人物/溝口(ヒロシの事務所の先輩で、ベテラン執行代理人。残忍な性格)、山田一郎(ヒロシと一緒に事務所に入った新米執行代理人。気が弱い)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
眠る山猫屋
13
再読。映画とは違うのだなぁ。もっと生々しくて壊れている叶ヒロシ。樋口さんも得体が知れない。狩人とシマウマの理屈には、なんだか納得させられたけれど、擬態する叶ヒロシくんが恐ろしい。2016/03/17
ひかりびっと
4
敵討ちが合法化された世界がいつか、日本でも実現するのだろうか?2015/12/23
ちんれん
4
満喫一気読み、おぞましい漫画だ。敵討ちが合法的に許可された世界での敵討ち代行業者の話。ひどいけど、面白いのを見つけてしまった。2015/02/09
S☆カルマ氏
4
この世界の住人はみなどこかが狂っている。物語の舞台は敵討ち法が施行された現代日本。それでいてなぜこれほどまでに現実感が希薄なのだろう。自爆テロを想起させる高層ビルへのミサイル攻撃をあるものは傍観し、あるものは喜色を浮かべる。敵討ち法も遺族の無念をはらす社会正義を実現したものではない。狩るものと狩られるもの。そこにあるのは剥き出しになった人間の感情と暴力でしかないのだろう。荒廃した世界にほのめく人間の罪業や狂気。それが叶ヒロシの幻覚と相まって私の神経まで震わせるようだ。2011/02/03
林
2
愛蔵版発売でkindle販売ページが消え購入履歴からたどってもリンク切れ。ダウンロードはできる。2021/01/26