出版社内容情報
病魔を抱えながら、決してあきらめることなく将棋にすべてを賭けた、夭逝の天才棋士、村山聖。彼の29年の生涯を描いたヒューマンドラマ。
▼第1話/生きる▼第2話/たいせつなもの▼第3話/直人の家▼第4話/9手詰め▼第5話/2七銀▼第6話/立岩山にて▼第7話/対局▼第8話/手将棋●登場人物/村山聖(夭逝の天才棋士。7冠という偉業を成したあの羽生善治さえ恐れたといわれる)、直人(聖と同じ病院に喘息で入院している子供。聖に将棋を教える)●あらすじ/重い肝臓病を患っている村山聖は同室の直人と将棋をするのが日課。ある晩、院内学級仲間の友子が死んだ。次の朝、これまでと同じように聖を含め、入院患者の子供たちは友子が死んだことなどなかったかのように振る舞う。しかし直人は、みんながまるで友子が初めからいなかったかのように振る舞うことが許せなかった。友子のことは言うなという聖に対して、「友子は一生懸命に生きたのだ」と怒鳴りながらつかみかかっていった。看護婦が止めに入ると、直人は看護婦に自分たちはなんのために入院しているのかとつっかかった。結局、直人の喘息の発作が出て騒ぎは収まったが、聖も暴れたせいで、安静にしなければならなくなった。ここに入院している子供たちはみな、小さなけんかをすることさえ叶わない、重い病気を抱えていた(第1話)。●その他の登場人物/村山夫妻(
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
はつばあば
39
ず~っと前から気になっていた本。明日は4時半起きだから寝るつもりでいたのに・・吸い寄せられるように涙をこぼしながら読了。小さい頃から「生きることの意味」を考えながら生きなくちゃならないなんて。(私達はなんて幸せなんだろう)どんなに贅沢な生活しようとも毎日が生きることとの戦いだなんて。生きていられることが贅沢なんです。世界を見渡せばわかる。でも自分たちの周りには目もくれず不満だらけ。将棋の事はわからないけれど、生きることに・・残り少なくなってきたが・・真摯に向き合わねばと思う。2016/05/04
またおやぢ
10
十数年ぶりに再読。『どんなに攻められても、負けそうでも、踏んばって、考えて考えて探せば...必ずどこかにあるんじゃ...生き残る道が』 腎ネフローゼを患った村山聖少年が、病院で出会ったが将棋。友人が残してくれた詰将棋の詰み手は2七銀。81マスの宇宙の中に人生を展開する天才棋士の物語第1巻。”生きる”ことの意味を考えさせられるシリーズ。2016/05/22
ひかり
9
彼にスポットライトを当てた映画が出る、という時に初めて知りました。もし彼が病気に侵されていなかったら、現代日本に名を残しつつある羽生名人と渡り合っていたかもしれない。今でも競い合ってたかもしれない。でも、この作品では病院で過ごし、生きる道を探るという生き方からその将棋の方法にたどり着いたように描写されてます。2017/06/04
ちはや
8
電子書籍無料本。将棋のことは全くわからないけど先をよんでよんでよんでよんでよみまくらないと勝てないのよね。力が拮抗する相手ならなおさら。この映画は見たら泣きそうだよ。2016/11/30
白い駄洒落王
5
生きる!キツイ話だけど面白い。2013/07/18
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- 和書
- とびきり愉快なイギリス史