出版社内容情報
考古学者にしてオプ（探偵）。元ＳＡＳ（英国特殊空挺部隊）のサバイバル教官。さまざまなキャリアを持つ男・平賀＝キートン・太一が、世界をまたにかけ、保険調査員として難事件に挑む、知性派サスペンス!!
▼第１話／バラの館▼第２話／心の壁▼第３話／面接の日▼第４話／塔の男▼第５話／いいパブの条件▼第６話／ハッピーニューイヤー▼第７話／光りなき世界の住人▼第８話／光をくれた女●登場人物／平賀＝キートン・太一（母は日本人、父は英国人、英国国籍所持。オックスフォード大学出身、胡桃沢大学「考古学」講師兼フリーの保険調査員。元SASサバイバル教官）●あらすじ／実業家のライマンという男が殺された。ライマンの妻はキートンの幼なじみ・チャーリー・チャップマンに警護を依頼するが、そこにライマンの死因を調べるために保険会社から派遣されたキートンが現われた（第１話）。▼18年前、身重の妻を置いて東ドイツから脱出したシュレイダーという男。彼はある日、雑誌で妻と子供の写真を見付ける。彼に依頼を受けたキートンは、彼の妻と子を探すために旧東ドイツに飛んだ。しかし妻は既に亡くなっており、子供も行方不明になっていることを知るのだが……（第２話）。●本巻の特徴／第３話ではキートンが別れた妻に講師の職を紹介してもらうエピソードがあるほか、第４話ではキートンの大学時代の姿が描かれる。●主な登場キャラクター／チャーリー・チャップマン（第１話）、平賀太平（
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Y2K☮
29
９３年刊行。「心の壁」と最後の二編は異なる話だけど繋がる点もあって切ない。とりあえず大義とか信念とかいう言葉を使いたがる人は疑った方がいい。綺麗な言葉の裏にそれらとは程遠い近視眼的な欲望や他人を思い通りにしないと気が済まない傲慢さを隠し持っているケースが多いから。あとキートンが考古学者として生きる道を見つけなければと焦る「面接の日」が刺さった。保険調査員の仕事も彼にとって悪いものではないのだろうけど、それに忙殺されてやりたいことができないのは本末転倒だ。当時の日本人の目に彼みたいな働き方はどう映ったのか。2020/03/20
ツキノ
17
東西ドイツの話、多し。実際の歴史とからめた見事なストーリー。寮仲間に「昔からいい加減な奴だったもんな」と言われるキートン。2021/11/20
ぽんきち
13
「塔の男」で号泣(T_T)2015/08/25
眠る山猫屋
12
再読。ドイツに関した傑作が二編。『心の壁』は、非人道的な養子政策のぎせいになった親子が出てくるが、ちょっと想像できない残酷な行いを、国という単位になると出来てしまうのは恐ろしい。『光なき世界の住人』もその流れを引いている。不景気から右翼化する若者、他者との優劣性を主張するナチズム、人間て弱くて怖いな。何故か記憶にこびりついた作品です。エバがとても綺麗だったから、というだけではなく。2016/05/08
本木英朗
11
イギリス・ドイツ・日本の3か国のそれぞれの話が読める14巻である。それぞれ選ぶとしてば、「バラの館」、「光なき世界の住人」、そして「面接の日」の3作だろうか。というか他のもいいんだけどねえ。いやー、本当に面白かったよ、うふふふふ。というわけで次は15巻だなあ。2019/08/07
