出版社内容情報
大型選集「谷口ジローコレクション」第2弾
世界中で数々の漫画賞を受賞した谷口ジロー、初の本格選集が登場!
第1期・全5巻(小学館刊5巻+双葉社刊5巻)
サイズは迫力の大画面B5判!
最新のスキャン技術と最高品質の印刷を駆使し、
谷口ジローの名作群が全く新しい姿で登場します。
第2弾は映画化もされ、世界各国の漫画賞を受賞し
谷口ジローの名を世界に轟かせた代表作『遥かな町へ』。
48歳の会社員・中原博史は、
出張帰りに立ち寄った郷里・倉吉の町で
突然のめまいに襲われ、目を覚ますと、
14歳の時にタイムスリップしてしまった。
そして、その年に家族を捨てて失踪した若き日の父と再会。
48歳の心を持った“少年”は、
父の失踪を止めることができるのか…!?
14歳の自分に戻って、再び人生をやり直せるなら…
世界中の読者の心を魅了した、父と子の物語が
最新のデジタル・スキャニング技術と
最高品質の印刷技法で鮮やかによみがえる。
●各巻に購入特典として別冊小冊子『「紙」が語ること 谷口ジローの世界』を封入。各界の著名人が、谷口ジローの作品世界をより豊かに味わうための論考と解説を執筆。未発表ラフやネームも掲載予定。
※画稿
【編集担当からのおすすめ情報】
谷口ジロー史上最大規模となる原画展の国内巡回開始を機に、
(2021年10月16日~2022年2月20日、世田谷文学館。以下全国巡回予定)
待望の大判選集の刊行がスタートしました。
今回の魅力は何と言っても、大判B5サイズ!!
2020年8月刊行の『歩くひと 完全版』は雑誌初出時と同じB5判で刊行しましたが、サイズが大きいことで、
「今まで気づかなかった細部の魅力を発見できた」
「谷口氏のがすぐ傍にいるかのように、息吹を間近に感じられた」
といった感想をいただきました。
本シリーズはその感想を受けて、すべて雑誌初出時と同じB5サイズで刊行いたします。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
たまきら
39
昔切ない気持ちで読んだこの本。豪華版が図書館にあって嬉しくなりました。生活に疲れた男性が、父が失踪した中二の夏にタイムスリップするお話です。大人の心を持った彼が周囲に不思議がられながらも愛される様子がまぶしいですが、こんな年にもなって女性に対する理解はこんなもんかいと改めて思ったり。…しかし戦争っていやだな、人をゆがめるもの…。2023/04/04
ぐうぐう
30
「谷口ジローコレクション」で再読する『遥かな町へ』。中年男性の意識が14歳の頃の自分にタイムスリップするというありきたりの設定は、あえての凡庸さであることは明らかだ。『遥かな町へ』に限らないが、原作付きではない谷口の漫画、特に日常をベースとした作品は、まず感情があり、そこからストーリーが派生していく構造であることが多い。本作でも、主人公の心情を丁寧に画で描写することに徹していて、物語はあとから付いてきている。(つづく)2021/12/04
くさてる
16
故郷の街を訪れた中年男だった主人公は、突然、14歳の自分に戻ってしまう。あの頃の街、懐かしい家族のもとでもういちど14歳をやり直すことができると知った主人公は決意する。少年の時に起きた父の失踪を止めようと。面白くて一気に読んでしまった。谷口ジローの描線で描かれる鳥取の昭和の風景は知らないはずなのに懐かしく、少年少女の心性は瑞々しい。そして父の思いがせつなく。良いラストでした。2022/08/24
剛腕伝説
7
中年の主人公が故郷の町に導かれ、父が蒸発した年・35年前にタイムスリップする。少年に戻った主人公は何とか父の蒸発を食い止めようとするが・・・・。 バタフライエフェクトを思い出した。2023/12/19
アメヲトコ
5
今年最後の読書は、帯にあった上井駅(現倉吉駅)の一場面に惹かれて買ったこの一冊。48歳、人生に疲れた一人の中年男性がふと故郷倉吉を訪れ、そこで突如14歳の自分にタイムスリップし、この年に失踪することになる父親に再会する……。思春期の甘酸っぱさを思い出させてくれる物語構成はもとより、倉吉を中心とした昭和中頃の風景描写も素晴らしく、読後大いに余韻が残ります。今年最後の一冊がこの本で良かった。2021/12/31