プチコミックス 萩尾望都作品集 〈〔第２期〕 ２〉 百億の昼と千億の夜 ２

萩尾望都

小学館（1985/05発売）

• サイズ コミック判
• 商品コード 9784091780225

出版社内容情報

ひとコマひとコマが、あなたの心に深く迫る！　萩尾望都、まん画家生活15周年記念大企画！　ファン必読の全17巻！！

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

[kochi]

「新星雲記　双太陽青93より黄17の夏　アスタータ50における惑星開発委員会は＂シ＂の命を受け、アイ星域第3惑星にヘリオ・セス・ベータ方開発を試みることになった… そうだ、すべては無に帰す　ディラックの海に・・・帰る…」 光瀬龍原作を見事にコミック化した本作の成功は、おそらく阿修羅（とひょっとしてイエス）のビジュアルによるのではと思われる。なんとなく興福寺の阿修羅像を想起させるが、より鋭角的な阿修羅の顔立ちとうねる背景の線に纏われたキャラが、イエスの詐欺師的な風貌と喋り方との対比もあって、非常に印象的。

2023/12/31

[五月雨みどり]

古代と超未来が交錯する壮大な世界が広がる．深い物語なのだけれども，自分の軽い頭では理解しきれないのと，個人的に古代や歴史や宗教にあんまり興味がない（教科書に載ってるような人名とか言葉が色々出てくるのだけど，なんせ関心が薄いもんで）のとで，うーん難しかった．しかし，この数年後の名作『マージナル』に確実に繋がっているので，作者はこの物語を描き切る（原作者あり）ことで，かなりレベルアップしたのではないか．難しい，わかりにくい，興味がないでは勿体ないわ，それほどこの世界観はすばらしい．何度も読むか．

2021/02/04

[まふぃん]

これは原作があるのか。２巻目を読み終わっても、まだなお難しい。

2020/03/12

[瑪瑙（サードニックス)]

全て無くなってしまった。ただ独り残された阿修羅。惑星委員会“ｼ”はいったい何者だったのか？転輪王が阿修羅に見せたものは？この宇宙の外に又別の世界が広がり、そしてその外には又別の世界が広がる。無限に続く世界の中にあっては、人類なんて微生物にもならないのかもしれない。あまりにも無情な感じを受けてとても辛くなるラストだった。還る道がない以上、阿修羅は前に進むしかない。けれども前って何処？そう思うと一人ぽっちの阿修羅が哀れでならない。

2012/09/13

[ちあき]

SF作家第一世代のかなり難解な作品をマンガ化するだけでも挑戦的な企画だが、同時に萩尾望都の少年誌進出作であり、マンガ史的にも重要な作品。これで SFマンガの思想性にめざめた、あるいは少女マンガの高度な表現に感銘を受けた男の子はは多かったんじゃないだろうか。ちなみに、同時期の連載は『ドカベン』『750ライダー』『がきデカ』『マカロニほうれん荘』『ブラック・ジャック』『エコエコアザラク』といった豪華ラインナップ。この頃の『週刊少年チャンピオン』はホントにすごい雑誌だったと思う。

2009/06/06