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出版社内容情報
宇宙を旅する巨大な船の“船母”クララ。知能化ザル・朱夏がその心の空虚を埋めたが、やがて…。同時収録『バビロンまで何マイル』。SF秀作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
アヤネ
7
「心臓のない巨人」無計画に増築を重ねた複合船エクスクルスス。キング・クラヴァート・船母クララのもとに知能ある猿・朱夏がやってくる。 「バビロンまで何マイル」アタラクシア修道女たちは、母星を買うため身も心も切り売りしている。ついにシスター達の献身で女王「ツィザーレ」の羽化が始まる。 どちらの作品も、佐藤氏の重厚な雰囲気が匂い、現実世界への批判を感じます。 佐藤氏が亡くなられたこと、遅ればせながら昨年知り愕然としました。「ワン・ゼロ」や「夢見る惑星」など今でも大好きな作品です。ご冥福を祈ります。2011/09/28
ユキモリ
6
随分久しぶりに読み返したら、このハードで暗い内容が以前と同じく心に沁みた。表題作は閉ざされた世界の二人と一匹の三者三様の満たされぬ夢が、悪夢の現実を生み出してしまうというアイロニー。不気味に膨れ上がった複合船の中はあの「阿呆船」状態ではと想像してしまう凄みがある。すっきり終わった「心臓~」と比べ「バビロンまで何マイル}はめくるめくイメージの羅列が残酷に妖しく華やかで、もっと長編で読みたかったと思った作品。2013/01/18
みのにゃー
5
上質なSF作品。表題作他『バビロンまで何マイル』を収録。『バビロンまで…』というと川原泉も同じタイトルの作品がある。ググって調べたところ元ネタはマザー・グース、さらに聖書が元になっているようだ。難民。放浪。2021/10/22
さとちゃん
5
ようやく発掘したので、再読。生物の自己保存欲求・繁殖欲求の強さが淡々と描かれている。彼らにとっては、ごくごく当たり前の欲求だけど、他者とのバランスを欠くほどになると、自らの存在も危うくなる、ということか。2014/07/28
patapon
3
「バビロンまで何マイル」の世界観が好きなので、連作で続いて欲しかった。フェーとエサギル人の関係はあまりに醜悪。搾取することに疑念を一切持たないギュゲスの言葉は、自分の生活を省みさせる。2014/01/10