内容説明
家政婦兼便利屋紹介所で働く橋本サト・28歳。都会で働き、誰かと恋をして、家族になっていく…どこにでもいる彼女が見つめる、永遠のテーマ。新鋭が瑞々しい文章で綴る、書き下ろし長篇小説。
著者等紹介
前川麻子[マエカワアサコ]
1967年東京生まれ。幼少時より舞台に立ち、女優・演出家として活動するかたわら、2000年「鞄屋の娘」で第6回小説新潮長篇新人賞を受賞し作家デビュー
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ショコラテ
10
若い身空で家政婦になるために上京したサトが就職したのは、家政婦紹介と便利屋を兼ねた「ネイバーズ・ホーム・サービス」。派遣先の家庭に問題があっても、時間いくらの「偽隣人」にはどうすることもできない――。読者もサト同様、「この人どうなるんだろう」と思いながら、後ろ髪を引かれる気持ちでその場を去るしかない。地味ながら、読後感はほっこり。読者数のあまりの少なさにびっくり。派手さはないけど、いい本なのにな~。使い捨てカメラの描写に時代を感じた。2010/11/07
星落秋風五丈原
6
一人暮らしの橋本サトが働く「ネイバーズ・ホーム・サービス」は家庭内の雑用のお手伝いが売り。仕事の内容は犬の散歩、引っ越しの手伝いからパソコンのセットアップまで幅広く、 社長のあかね言うところの「都会の隙間産業」。ネイバーズ・ホーム・サービス南営業所には社長の橘あかね、その弟で所長の広志、広志の大学の後輩でハンディーの石倉雅治、リッキーこと牛山力男、アベちゃんこと本間美奈子、帰国子女で23才の堀智恵はキーパー、そして新たに市原という中年女性が加わった。2002/07/22
雛
4
ドラマチックなことは何も起きない日常。しかしその中には小さな山があり谷がある。誰もがそうやって生きている。「そっとしときよ、みんな孤独で辛い、黙って夜明けまでギターをひこうよ」そんな歌が思い出される一冊。2016/12/10
Mao
2
何年も前に古本で購入し本棚の肥やしになっていた。が、急に読んでみたら、とても良かった。今、読むために備えられていたのだと思う。 自分の心、人の心、どう感じ、どう対応するのか。2019/10/21
hachiko
1
面白かった。はっきりと結末を記さないエピソードの余韻も良かった。2014/08/17