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七月七日

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  • サイズ B6判/ページ数 295p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784087747157
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

内容説明

「日本人の子として恥じぬよう、アメリカのために全力を尽くす!」日系二世語学兵の、栄光なき孤独な戦い。第二次大戦末期のサイパンを舞台に描く、古処戦争小説の最高峰。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

クリママ

42
日系2世。アメリカ軍語学兵としてサイパンで従軍する。六月十八日から始まり、七月七日までの7話。戦況が進むにつれ、苦悩が伝わり、陥落の後は読み進めるのも辛い。日本人として大切にしてしてきたものはいったい何なのだろう。幼い子のの願いの前にはそれすら虚しい。そしてこの作品の中にはそれだけではない、多くの疑問と苦悩が投げかけられている。途中にも真実が見え、結末にも深く考えさせられ、泣かされる。深く、素晴らしい文学作品であると思う。2017/09/23

ころりんぱ

39
サイパン戦での話です。米軍の語学兵として従軍している日系二世が主人公。日本人の両親を持つアメリカで生まれ育ったアメリカ人で容貌は日本人。日本軍を敵として戦っていますが、日米どちら側からも受ける差別や蔑視。自分ではどうにもできないアイデンティティの問題、とても読み応えがあります。サイパンは玉砕し、民間人も多く亡くなりました。日本の兵士や民間人がどういう心理状態で最期の時を迎えたのか、戦場がどんなふうだったのか、ノンフィクションに引けを取らないほどしっかり描かれているのですごいと思いました。2017/08/14

geshi

33
日系二世でアメリカ軍の語学兵という主人公ショーティの設定が重くのしかかる。アメリカと日本どちらにも憎悪と蔑視を向けられ、苦悩する姿は読んでいて辛いものがあった。自由と平等の国を標榜しながら黄禍論により日系人の財産を没収したアメリカ、皇国をうたいながら民間人すら盾にする日本兵、国の押し付けた欺瞞が建前を失わせる戦場において醜く露わになる。恥の意識と裏切りへの忌避感、そこから逃れるために死すら選んでしまうメンタリティ、日本人なら誰もがグサリと刺さる。ラストが純粋で幻想的で、こんなんやられたら泣くわ!2020/02/12

クルミパン

4
つい最近「栄光なき凱旋」を読んで太平洋開戦時のアメリカ在住日系二世の立場を初めて考えさせられた。本作も日系二世の語学兵として前線にたったときの苦悩を描いたものである。アメリカ人の視点からだと日本人の恥と裏切りに対する異様なまでの畏怖の念は理解不能に違いない。死をも恐れぬ兵士にも国に置いてきた家族がいるだろう。何のための戦争なのか、愛国なのか。逃げ場を失った兵士の叫びが生々く聞こえるようだった。2013/03/24

akira

4
「二つの祖国」より真に迫るものがあった。語学兵の悲哀とサイパン戦の凄惨さ、史実だけに重いです。2010/10/20

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