スチール

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  • サイズ B6判/ページ数 149p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784087746280
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

内容説明

男性客相手の風俗のバイトをしている十七歳の高校生怜司は、新宿の「二十四時間制ロッカールーム」のひとつを契約し、夜のひと時を狭い箱の中で過ごしていた。ある日、そこで床にただ座り続ける中年男を見かけた怜司は、次第に中年男に惹かれていく。そして住所を突きとめ、彼が経営する倉庫でバイトを始めるが、朗らかなパートの中年女性達に囲まれて、少しずつ世の中との関わりを学び、受け入れるようになる。しかし、かつて「客」だった男が国語教師として着任してきて…。第26回すばる文学賞受賞作。

著者等紹介

織田みずほ[オダミズホ]
1965年4月24日生まれ。神奈川県横浜市出身。青山学院大学文学部教育学科卒業
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

まったん

9
男性相手の風俗のバイトをし、夜な夜なロッカーの中に身を潜める男子高生。「鉄の箱の中にいさえすれば世界は平穏なのだ」確かにそう。けど殻に閉じこもり得られる平穏は、その場限りで何も生まない。けれど人は変わる。違う世界に放り出されたら自分の力で周りに適応していくもの。難しいけど、自我を認めることの大切さを、あなたはあなたでいい、と優しく語りかけられているように感じた。この作家さんは、言葉に表すのが難しい複雑な感情を書くのが凄く上手い。他の織田さんの作品も読みたいと思ったら、この作品のみらしい。凄く残念…。2014/01/13

もか*

9
なんとなく図書館で手に取ってみた。ロッカーの中に籠る高校生の話。虚無感が漂ってます。2011/05/01

くろり - しろくろりちよ

7
コインロッカーの中で安息を得て、同性相手に風俗のバイトをし、名前も知らない中年男性に想いを寄せ始めた男子高校生。日常という言葉には決して同化できないような日常を与えられるままに生き、異常な日常が崩れ始め日常に戻って行く異常を体感できるような逆転の世界。世界との関わり方を模索し、愛情の在り処を探し続ける人々の姿を描いた、第26回すばる文学賞受賞作品。2012/10/25

えみ

5
男性相手の風俗バイトをし、ロッカーの中でだけ安息を得る高校生レイジ。冷めた目線で他人との心の触れ合いを避けていたが、中年男性に心を惹かれ、徐々に他者と関わり自分自身の心に向き合っていく。主人公の変化していく心理描写は丁寧に描かれていたが、その他の登場人物の魅力がよく分からずガッツリ入り込めなかった。サラリと読めてしまった分、目が滑ったかな。2015/12/03

とろろ

5
高校生のレイジは平凡な家庭と高校生活を送りながらも男娼まがいなバイトをしたり、ロッカールームに閉じ籠ったりしている。最初はどことなく無機質なレイジが、次第に殻を破るように他人とうわべだけでなく、心を通わそうとする過程がゆっくり書かれていた。うまく感想が書けないが、自己完結の世界で良いと思いつつも、満たされない。他者に自分を知ってもらいたい。繋がりたい。そういう感情に強く共感。そして自分だけの世界から抜け出そうとするんだ。レイジが岸田さんに自分の事を話す場面は胸に迫るものがあった。2014/02/23

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