内容説明
ねえ、取り返しのつかないことってあるんだよ。高校3年生の夏休み、世界の終わりが始まった。
著者等紹介
桐野夏生[キリノナツオ]
1951年金沢生まれ。成蹊大学法学部卒。1993年『顔に降りかかる雨』で江戸川乱歩賞を、1998年『OUT』で日本推理作家協会賞を、1999年『柔らかな頬』で第121回直木賞を受賞
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感想・レビュー
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Yuna Ioki☆
49
1099-302-46 ドロドロしてるわけでもないが、若気の至りとはこんな感じなのか。。。4人の女子高生もミミズも単略的すぎる。。。2015/07/30
てんちゃん
30
久々の桐野さん。黒々とした毒のあるエネルギーを久しぶりに浴びました。近所の男子高生の母親殺しをきっかけに、四人の女子高生がそれぞれのリアルに向き合うこととなる。それぞれの先にあるものは? 後半は一気読みでしたが桐野さんの作品を読むのはエネルギーが要ります。少し疲れました。2019/06/22
MINA
28
「僕たちは負い目と共に生きるしかないのだと思います。それが生き残った者の務めです。/あたしはもう、ホリニンナなんてエセ名前は書かないだろうな。」ワタルの手紙は意外だった。まぁ全部が全部意外ではあったけれど。トシがホリニンナをもう使わないラストは希望が見える気がした。本当、大抵のことは他人の口から語られるとアホらしい話になりそう。女子高生四人が興味本意で母親殺しの少年を庇う過程なんか特にそうだ。軽々しく、犯罪者に自己投影して現実逃避に加担した結果しっぺ返しが来たってことなんだろうな。高校生らしい孤独だと。 2014/12/24
yumiha
26
表紙絵のヘンリー・ダーガーの『非現実の王国で』が、キモかわゆい。この表紙を選んだ桐野夏生に妙に納得。母殺しのミミズは、短絡的な少年だ。でも、ミミズに巻き込まれてゆく「ホリニンナ」「ユウザン」「キラリン」「テラウチ」の4人の女子高生は、ただの仲良しグループのように見せかけながら、それぞれの独白は重く複雑で、つい惹き込まれてしまった。桐野夏生作品で女子高生を主人公にしたものは、たぶん本作だけだろう。2017/07/22
雲國斎
19
未読の桐野作品を見つけたので読んでみた。母親を殺してしまった少年と、彼の逃亡を手助けすることになる4人の女子高生。遊び半分のゲーム感覚で始まった事件が、やがてリアルな悲劇に集約してゆく。桐野作品なのでハズレなく面白いのだが、本作はなんともやるせない結末だった。2022/04/20