MOMENT

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  • サイズ B6判/ページ数 317p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784087746044
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

内容説明

最後に一つだけ、必ず願いごとを叶えてくれる人物がいる。そんな不思議な噂が、患者たちの間で囁かれていた。アルバイト清掃員の学生が垣間見た、その病院の伝説とは…『MISSING』の新鋭が奏でる物語のシンフォニー。

著者等紹介

本多孝好[ホンダタカヨシ]
1971年3月8日、東京都生まれ。慶応義塾大学卒業。94年、「眠りの海」にて第16回小説推理新人賞受賞。99年、受賞作を収録した短編集『MISSING』にて単行本デビュー。「このミステリーがすごい!2000年版」でトップ10入りするなど高い評価を得て一躍脚光を浴びる。2000年、初めての長編『ALONE TOGETHER』を刊行。同時代を見つめる確かな眼差し、独自の感性がきらめくスタイリッシュな文体、静謐で心地よい作風が多くの共感を呼んでいる。今最も目が離せない若手作家の一人
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

nyanco

92
本多さんらしいガラスのような透明感のある文章。会話で進行していく構成も巧く、すんなりと心の中に入ってくる。重松清さんなら、こうは書かないだろうなと思うストーリー。でも、こっちのほうがリアルな気がする。『死』がテーマの本。本との出逢いのタイミングに驚かされることがある。忘れることのできない一冊になると思う。きちんと『死』について考え、生きることと死ぬことを考えさせていただきました。ありがとうございます。2009/10/17

七色一味

73
読破。とある病院の、末期患者の間に密かに流れる必殺仕事人の噂──。実になんとも、心くすぐられる設定じゃないですか。でも、私この作家さんと相性ってあまり良くないんです。良くないというのは──。この作家さんの本は、なぜだか時間がかかってしまうんですねぇ。まぁ、それはいいとして。末期患者さんの最後の願いを叶える仕事人の、胸のすくような活躍とか、そういうモノを期待していた方は、ゴメンナサイ。この仕事人はそんなにかっこ良くないです。しかも、依頼者自体もひと癖もふた癖もある人ばかり。まぁ、それが人間らしい感じですが。2012/04/20

ミーコ

66
このシリーズを制覇した訳ですが 最後にMOMENTを読む事に・・・ 帯を見て、ひそかに1番読みたい1冊になってました。自分の最期には 何を望むのか… 答えは出ません。乳癌で亡くなる女の人のお話は 他人事とは思えず、自分にも起こりうる事だと思い 胸が詰まる思いでした。 神田君 こういう人だったんですね~ 中々 格好良かったです。それにしても、何冊読んでも森野の男口調は好きになれません。2017/03/13

銀河

64
死にゆく患者の願いを一つだけ叶えてくれる必殺仕事人にまつわる話。病院が舞台なのに明るくて読みやすい。四篇のどの話も、予想を悪い(というかそうであってほしくない)方向に裏切っていく。最初の二つはブラックでビックリしてしまった。三話目の上田さんと、MOMENTの有馬さんの話はそれでも希望というか、生まれてきてよかった、と思えるものがあったから読後感は悪くない。美しいおとぎ話にしないで、きちんと死と向き合っている話だと感じた。神田くん、WILLとイメージ違うけど、なかなか好青年。森野もとても可愛かった♪2011/03/03

だんたろう

56
死を目前に控えた患者の、最後の願いを何でも叶えてくれる必殺仕事人。入院中に読んだので、妙にリアリティを感じた。自分ならばと考えたが、何も思いつかなかった。最後の願いって難しい。食べたいものも、仕返ししたい人も、何も思いつかなかったが、これで良いのかと不安に感じた。最後に願い事がある人生を、歩んだ方が良いのかどうか。なかなか難しい問題だけど、静かにこの世を去りたいとは思う。死にたくないと思うのは辛いので、なにか他の願いがある方が楽かもしれない。それを探しながら生きていくのか。2010/11/11

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